*土方歳三様*



「…………」


彼は、隣りで寝息を立てる愛しい人の寝顔を見守っていた。


「俺より先に眠るたぁ…いい度胸してやがる」


この寝顔は、薄汚れていく自分の心を癒してくれる。


俺が鬼にならなきゃ、誰がなる。



*艶が~る幕末志士伝* ~もう一つの艶物語~



局中法度の下、全ては新選組の為に。


「……唯一、俺の人生を狂わせたもの」


不退転の覚悟で、命を投げ出すことも厭わない。



そんな想いを鈍らせるこの存在に、心惑わされていた。




Special thanks.

てふてふあげは さん