<艶が~る、妄想小説>


今回は、龍馬さん、翔太くん、枡屋さん、高杉さんの4人に挑戦涙

ヒロインの事を思う4人の気持ちは、こんなだったらいいなぁ…なんて気持ちで書きましたpnish

(勝手ながら、ヒロインの名前を ”春香”と、つけさせていただいてます苦笑 )

今回、ト書きが難しかったっすなく

台詞はわりとすんなり書けるんですけどねサーーッッ・・・

また翔太くん目線でハート良かったら、読んで下さいませ音譜



*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*



~ボーイズトーク~ その3   *龍馬、翔太、枡屋、高杉*



春一番が吹き、桜の花も少しずつ蕾を桃色に染め始める頃。俺と龍馬さんは薩長同盟の件で、下関から京に訪れていた。そして今日は、1日ゆっくりと出来るようなので、久しぶりに京の街を散策していたのだった。


「春も近いぜよ」
「そうですね。今年の冬は、本当に寒かったから春が待ち遠しいですよね」


そして、とある路地へ入った時のことだった。

よく目を凝らすと、そこには高杉さんと枡屋さんが何やら話しこんでいるのが見えた。


「おっ!枡屋さんに高杉やないがか」


龍馬さんが声をかけながら駆け寄ると、二人はぎょっとした顔をして一瞬たじろいだ。俺も二人に近寄って声をかける。


「お二人とも、こんなところで何をしているんですか?」
「なんだ、お前らか……」


高杉さんは眉尻をあげて呟いた。

その隣にいる枡屋さんも口を開く。


「これは、坂本はんに翔太はん。今しがた、あちらで高杉はんと偶然居合わせましてな」
「会いたい奴には会えなくて、会いたくも無い奴とはバッタリっていうやつだな…」


腕を組み、明後日の方向を見ながら高杉さんが言うと、枡屋さんはくすっと微笑んだ。


「その言葉、そのままそっくりお返ししまひょ」


大人の落ち着きを見せる枡屋さんに、高杉さんは「ふん」と、鼻を鳴らした。


「ほうか、それならおまんらもどうじゃ?これからわしらと京の街を散策せんか?」


龍馬さんがにこにこしながら言うと、二人は顔を引きつらせた。


「おいおい、お前……それ本気で言ってるのか?」


(確かに、高杉さんの言っていることは正しい…俺達が四人で歩いたら目立つだろうから…)


「何か変なことでも言ったかのう?」
「龍馬さん、四人で歩いてたらさすがに目立ち過ぎますよ。刺客に狙われたらどうするんですか?」


俺が隣で苦笑しながら言うと、龍馬さんはなおも自身あり気に話し出す。


「そん時ゃ、逃げるまでじゃ!」
「坂本……本当にお前は御気楽な奴だな…」
「…………」


呆れながら言う高杉さんの隣で、何やら考え込んでいた枡屋さんが、「わての行きつけの店へ行きまへんか?」と、話し出した。


「このすぐ近くやさかい、いかがどす?」
「それはええのう!遠慮無くお邪魔させて貰うぜよ」
「偶然とはいえせっかく会うたんや。立ち話もなんやし、そこで話しまひょ」


龍馬さんと枡屋さんが二人で盛り上がっている傍で、高杉さんが眉をつり上げながらボソリと言った。


「俺は遠慮するぜ」
「何でじゃ?高杉」
「男だけでブラブラして何が楽しいんだ?」
「そんなこと言わんと、おまんも一緒に行くぜよ!」


龍馬さんは、不貞腐れる高杉さんの肩を両手でガシッと掴むと、ニカっと笑った。その笑顔に降参したのか、なんだかんだとブツブツいいながらも、高杉さんも同行することになったのだった。


それから、しばらく枡屋さんについていくと、ヒッソリと佇む家に辿りついた。そこは、普通の家のように見えるが、中へ入るとちゃんとした甘味どころだった。


「あら、枡屋はん。久しぶりどすなぁ」


奥から三十代前半くらいの綺麗な女性が現れた。


「久しぶりにここの団子、食べとうなって」

「いつも御贔屓にしてくれはって、おおきに」


枡屋さんと、およしさんという女性が笑顔で話すと、およしさんの案内で俺達は奥の部屋へと通された。そして、お茶と甘味を頼んでそれぞれが寛ぎはじめる。



*艶が~る妄想小説* ~もう一つの艶物語~



「こんなところに、こんな店があったとはな」
「ほんにのう、さすが枡屋さんじゃ」


高杉さんがあぐらをかきながら言う隣で、龍馬さんも同じようにして微笑んだ。俺はテーブルをはさんで枡屋さんの隣に座ると、枡屋さんは髪の乱れを直しながら言った。


「ここのお茶と団子は美味いと評判やさかい、わても好きで時々通っていたんどす」
「さっきの女目当てにか?」


高杉さんの言葉に枡屋さんは目を細めた。


「……あんさんと一緒にせんといてくれますか。あんお人には歴とした旦那はんがおますさかい」
「ほお……人妻が好みなのか」
「…………」


高杉さんの言葉に、枡屋さんは眉を顰(ひそ)めた。


俺はこの二人のやりとりがこれ以上エスカレートしないように、話題を変えようとしたその時、およしさんがお茶とお団子を持って部屋へ入ってきた。


「お待ちどおさまどす。今日は来て下さってほんまにおおきに」


そう言うと、彼女は俺達の前に置きはじめる。そして、全員に配り終えると笑顔で部屋を出て行った。


「おお、美味そうじゃ。いただくぜよ」


それから、俺達はお団子を食べながら今までの経路やこれからの相談など、龍馬さんを中心に熱く語りあった。

しかし、少し目線を外して考えてみると……。


このメンバーで何かを話すなんてことは最初で最後なんじゃないかな?と、思うくらい珍しい光景のように思えた。大の男が、お茶と団子を食べながら戦況を報告しあっているのだから。


一通り、大事な話しが終わると、なぜか話題は思いもよらない方向へと変わって行った。


「しかし、ここのお団子はほんに美味かったぜよ」
「次は、好いた女子と来はったらどないどす?」
「おお、是非!使わせて貰うぜよ」


笑顔で言う龍馬さんの隣で、高杉さんがニヤつきながら言う。


「お前、惚れた女が出来たのか?」
「おお、いるぜよ!春香じゃ」


お茶を飲んでいた俺は、思わず吹き出した。枡屋さんも高杉さんも驚いた顔をしている。


「な、龍馬さん…マ、マジっすか?」


俺はテーブルを挟みつつ、思わず目の前にいる龍馬さんの顔を覗きこんだ。龍馬さんの隣にいる高杉さんも、俺の隣にいる枡屋さんも、眉を顰めながら龍馬さんを見ている。


「な、なんじゃ?なんかまずいことでも言うたがか?」
「お前の惚れた女って、あいつのことだったのか」


あぐらをかいていた高杉さんが片膝を立てながら言った。枡屋さんも姿勢を正すと、静かに口を開く。


「坂本はんの想い人も、春香はんどしたか…」
「あ、あの……お二人ともどうしたんですか?」


少し険悪なムードに、俺は苦笑しながら言った。


「いや、俺も枡屋殿もあいつのことが気になっているからな」


高杉さんは、明後日の方向を見ながら呟くと、今度は龍馬さんが苦笑しながら言う。


「おお?おんしらも春香に惚れちょったがか?こりゃ、めったのう…恋敵は翔太だけや思うちょったき…」
「りょ、龍馬さん……」
「なんだ、結城もあいつのことが好きだったのか?」


高杉さんに見つめられて、俺は思わず赤面する。


「あ、あの…俺はその…あいつとは幼馴染ですから好きなのは当たり前ですよ」
「本当にそれだけか?」


高杉さんの言葉に、俺は内心ドキッとして言いよどむ。


(……んなこと、言えるかよ…)


心の中で呟くと、更に三人は真昼間から盛り上がって行った。


「俺は、欲しいものは必ず手に入れる……悪いが、あいつはお前らにはやれん」
「何を言うちゅうが」
「次に長州へ戻る時、あいつを連れ去る予定だからな」


自身満々に言う高杉さんに、俺と龍馬さんは思わず呆気に取られた。黙り込んでいた枡屋さんも静かに口を開く。


「……春香はんがあんさんについて行きますやろか?」
「枡屋殿、それはどういう意味だ」
「尊皇攘夷の獅子も……いまだに女子一人に手こずってはったとは。ただついて来い言うだけなら、誰にでもできまっせ」
「……負け惜しみか?」
「いや……想い言うものは、じっくり刻をかけて初めて得られるもんやさかい」

「回りくどいな……お前もあいつが好きなら好きと、言えばいいだろ…」


二人の会話を聞きながら、俺と龍馬さんは一歩引いていた。龍馬さんは俺の傍まで四つんばいのまま近づくと、耳うちする。


「凄い迫力じゃのう?」
「そ、そうですね……」
「わしらも、うかうかしてられんぜよ」


(……しかし、何だってこんな話に…)


そんな俺達にお構いなしに、二人の会話はエスカレートして行った。


「据え膳食わぬは男の恥って言葉を知ってるか?」
「品の無い男がよう言うてますな……春香はんがあんさんにそない興味があるとは思えまへんが」
「あいつは俺を求めている……あとはただ、惚れた女を強く抱きしめるだけだ。それに、お前よりあいつを喜ばせる自信があるしな」


片膝を抱え込むようにして高杉さんは枡屋さんを見つめている。その視線を受けつつ、ため息をつきながら枡屋さんも口を開いた。


「……あんさんは、ほんまの男と女の情を知らんようどすな。好いた女を思う気持ちは、わてかて同じ…いや、それ以上や。傍におるだけで……わては何でも出来るようになる。せやから、誰かに持って行かれたら困るんや」


自身満々な高杉さんとは真逆に、枡屋さんは少し寂しげに視線を下に向けた。


すると、龍馬さんが腕組みをしながら言った。


「わしも、おんしらには負けんくらい春香のことが好きじゃ!」
「ちょっ、龍馬さん!」
「わしは、あの娘の笑顔が大好きじゃ。翔太も春香が好きなんじゃろ?好きなら好きと言うたらいいき」


龍馬さんは笑顔で言うと、俺の肩を抱きしめた。


「……お、俺も…こっちに来てから…あ、いや、こちらで暮らすようになってから男と女の役割や必要性なんかも学んできたつもりです。俺も……あいつが…春香のことが好きです。誰よりもあいつのことを理解しているつもりですし、あいつを守る為に剣術にも力を入れてきましたから……って、俺…何を言っちゃってるんだ…」


ふいに三人の視線を感じ目線を上げると、龍馬さんが俺の背中をバシッと叩いて言った。


「翔太の気持ちは分かったぜよ」
「結城も、以前より男を上げたみたいだな」


高杉さんも俺の方を見ながら言うと、枡屋さんも微笑んでいた。俺は気恥ずかしくなり、頭をかきながら苦笑する。龍馬さんを守る為に必死で剣の稽古をしてきた俺だけど、もう一つの目的はあいつを守れる強い男になる為でもあった。


「今度は、春香も誘ってまたみんなでここに来るぜよ」


にこにこしながら言う龍馬さんを見ながら、高杉さんと枡屋さんは少し引きつったような顔をしていたけれど、なんだかんだ言って賛同しているようだった。



それから俺と龍馬さんは、高杉さんと枡屋さんと別れて夕暮れまで街を練り歩いた。俺は歩きながら、さっきの出来事を振り返る。


よく考えてみたら、龍馬さんや高杉さんや枡屋さんは、歴史上の偉人達で……俺はその偉人達と好きな子を取り合っていたのだ。


(……本当に夢見たいな話だよな)


夕焼け空が俺と龍馬さんをオレンジ色に染める中、隣を歩く龍馬さんが俺に話しかけてきた。



*艶が~る妄想小説* ~もう一つの艶物語~


「今日はなんだかんだと楽しかったぜよ」
「そうですね」
「しかし、あいつらには負けられんちや、のう翔太」
「……春香のことですか?」
「ほうじゃ、あいつら本気じゃったからのう」


(……俺には、龍馬さんのような強さも、高杉さんのような自信も、枡屋さんのような大人の色気も知識もない…)


考え込む俺に龍馬さんはニカッと笑って言った。


「翔太」
「……はい?」
「おまんは今のままで十分ええ男じゃ。自信を持って春香を迎えに行けばいいちや」
「龍馬さん……」


今はまだ彼らには勝てないけれど……俺は今の気持ちも大切にしながら、もっと男を磨いて行きたいと思った。


「ほうじゃ、次に暇が出来たら春香に会いに行くぜよ」
「……はい!」


春香が誰を好きだろうと、俺は……。

あいつの事だけを考えていればいい。


「お!翔太、一番星が見えよる」



龍馬さんの指差す方を見上げると、大きくて綺麗な一番星が瞬いていた。


まるで、俺達を見守るかのように……。




<おわり> 



お粗末さまでした(≧∀≦)ノ


やっぱ、4人もいると…ト書きが難しいっすねガクリ(黒背景用)

そして、高杉さんと俊太郎様が混ざると…どうしても言い合いになるし(笑)

でも、こんなふうに想われてみたいっすぅぅウフフ



ペタしてね