最近やたらと「俺の嫁が~」という言い方をする人が増えているような気がする。
もともとは関西の人が遣っていたらしく、テレビで関西のお笑い芸人が遣うのを見て、全国に広がっていったらしい。
この言葉、好きではない。
まず、そもそもこれは誤用である。本来、「嫁」は自分の息子の配偶者を指す言葉であって、自分の配偶者を指す言葉ではない。自分の配偶者は「妻」である。
どうやら最近はこの誤用が市民権を得てしまい、もはや誤用とまでは言いにくい状況になっているらしい。だが、正しい日本語を知っている人にとっては、やはり違和感があるのではなかろうか。
まぁ、それはいい。
俺がもっと気になるのは、この言葉の醸し出す雰囲気である。
「私の妻が~」という言い方は非常に丁寧で、配偶者への敬意を感じることができる。
「俺の奥さんが~」という言い方はカジュアルだが愛情を感じるような気がする(奥さんは差別用語だと言う人もいるが)。
「俺の嫁が~」……うーん…、自分だけなのだろうか…。なんだか配偶者を軽視した感じというか、バカにした感じというか、下に見ているというか、あまり敬意を感じないのである。
お笑い芸人などがテレビで「俺の嫁が」と言うときは、大抵その後に配偶者をネタにした話をするという影響もあるのかもしれない。なんかあまり良い気はしない。
新婚の男がやたらと「俺の嫁が~」と言いたがるのは、新婚で舞い上がっているんだろうなと思って許容するのだが、なんか社会人になってやたらと名刺を配りたがる新入社員のようで、正直言ってちょっとイタい。
このように感じているのは自分だけなのかもしれないが、自分は決して自分の妻を「俺の嫁」などと呼びたくはない。なんか妻が自分の所有物であるかのような横柄な言い方にも聞こえる。まぁ今べつに妻がいるわけではないのだが。
言葉が与える雰囲気、そしてそれを感じ取る個人の感性はそれぞれなので、気にならないという人も多いだろう。しかし個人的には、誤りではないが、遣いたくない言葉の一つである。
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