羽山直臣のランチェスター戦略の実践事例ブログ -2ページ目

ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(6)

ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(6)



顧客起点に変えると、それ以外でも様々なサービスの発想が生まれます。


例えば


(8)髪などに、ハンディやコンプレックスを抱かれている方が一定の割合でおられる。そのようなお客様に、さりげなく「××と○○のお部屋がありますが、どちらの部屋を、ご予約されますか?○○の部屋でよろしかったですか?」と聞く。

これは、「人に見られたくない」と感じておられる方だけでなく、このようなサービスは例えば、いびきをかかれる方など、一般のお客様にも支持される可能性が高い

このように本気で顧客起点で見ますと、風景が全て変わってきます。他の店は自店起点で、自店は顧客起点。これは大きな差別化であり。業界に対する革新にもなります。



(9)福岡市にある「ビッグロードグループ」という美容室グループは、以前から革新を加えて、営業時間を午後12時から深夜の11時までにして、地域の人達から「パートから帰り、家族に夕食を食べさせて、それから行ける店がある。土曜や日曜に美容室に行かずに済む」と、とても喜ばれていた


(10)さらに今年の春に、早朝の6時や7時から行ける美容室をオープンした。これは夜型の生活が進み「朝は髪がぼさぼさ。まとまらない。それを解消する美容室がほしい」という潜在的な声に応えたもの。お客のニーズは変化する。それを感受するアンテナが必要



これも徹底した顧客起点能力です。



次は私の個人的な願望です。


(11)「就職活動さわやか必勝ヘアー」があるなら、福岡市の歓楽街の中洲に近い理容室で「高確率でもてる必勝ヘアー、必勝コロン付。もてなければ全額返還保証!」という店があってもいい。
これは効能や用途での客層の絞り込み。ジョークでもワクワクで楽しい



実はこの原稿は、マクドナルドで書いています。


そこで最後は番外編です。


【番外】ロードサイドやビジネス街にあるマクドナルドは、ビジネスマンを囲い込むために、ノートパソコンおよび携帯電話の電源を多数設置している。


これはビジネスマンの不便や用途に着目した対策。
ビジネスマンにとってマクドナルドはハンバーガーを食べる店ではない。
それはマクドナルドも承知済み。結果としてハンバーガーやドリンクのヘビーユーザーにすることが目的

あなたは、これらを、どう応用しますか?






ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(5)

ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(5)



[美容室やファーストフード店の顧客起点と自社起点]



私は仕事の関係で、美容室や理容室のオーナーと話す事がありますが、岡目八目で、次のようなことを感じます。


(1)「美容室や理容室は、ヘアースタイルを変えたり、ヘアースタイルをきれいにする仕事と信じられている


(2)これは間違いのない考え方のようだが、お店起点の考え方


(3)顧客にとって、美容や理容(髪やフェイス)は、全身の中の一部であり、顧客起点に立つと例えれば「自分がトータルで可愛くなったり、スマートになったりする手段」になる


(4)これは言葉の言い回しだけの事と思われがちだが、そうではなく、サービス内容が変わってくる


(5)例えば美容室で施術に入る前に、お客さんの全身を見て(一緒に姿見を見て)、その人のスタイルに合った、ヘアースタイルを決めて行くことができる。さらに途中や、終了時にも全身を見て、注文を聞いたりアドバイスをすることができる。


(6)すると「お客さんのお気に入りのファッションに合ったカットやセットを、ご提案します」というあプローチもできる


(7)これは強力な他店との差別化になる。しかし、このようにしているお店はほとんどない。ほとんどは首から上の、理容や美容に関するアプローチ





★次回は、6月13日(月)「ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(6)」をご紹介致します。




ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(4)

ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(4)



この2社の電機店の話は、この2社の社長の、経営戦略の優劣の違いでもあったのです。


お店(会社)とお客さんが接触する部分に、会社の経営姿勢や戦略が端的に現れます。



これは「顧客起点」か、「自店起点」かの違いとも言えます。



これは言い換えますと、




(1)「自社起点」とは、自社の商品の「性能」や「価格」を出発点とした考え方であり、業界で常識と思われている考え方



(2)「顧客起点」とは、お客が解決したいと感じている(これは潜在している場合が多い)「不便や不満」、「欲求や夢」、その商品を購入して得られる「効能」や「効果」を出発点とした考え方



となります。



★次回は、6月9日(木)「ローコストが全てではない。顧客起点の仕組みの作り方(5)」をご紹介致します。