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すでに1か月のロングランになっている劇団秦組(秦建日子氏のメイン劇団:2009年旗揚げ)の本公演のうちの「AND SO THIS IS Xmas」を観てきました。劇場は池袋シアターグリーンのBOX in BOX THEATERです。客席100程度の小劇場です。台詞は生声が通ります。

 

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今回の本公演はWキャストならぬW作品。1か月間休演日なしで、ストレートプレイの本作とミュージカルの「月の子供」の2作品を入れ子にして上演しています。キャストによっては全く違う2作品の両方に出演しています。「月の子供」の方はストレートプレイ版が過去に何度か上演されていますが、「AND SO ・・・」の方は6年ぶりの新作ということで秦さんも気合が入っていました。

 

 

暗転無しの畳み掛けるような場面転換とシーンの連続、必用以上に説明口調の台詞で東京で起きる連続爆弾テロ事件の緊迫感をうまく表現していました。誰もが主役になりそうなスタートから、一人に何役も演じさせたりして観客を混乱させます。台詞による情景説明が過剰気味だけれどそれがかえって映像の様な情景を浮かびあがらせます。秦組常連の役者の安定した演技に加えて、若い役者さんも生き生きと魅力的に演じていました。

 

テロ犯人の正体も二転三転。最後まで気を抜かせない展開でした。現実の日本の政治やマスコミや米国への皮肉を込めたメッセージもいっばい埋め込まれていました。「戦争はもうたくさん」、「やられてもやりかえさない」と主張するヒロインの一人の芹那さんが印象的でした。結局犯人は誰なのか、その目的は何なのかサスペンス仕立てで物語は進みます。流れ込んでくる情報量が多くて、理解しそこなったところもあったかもです。本来ならもう二〜三回は観たかったのですが、残りはDVDを購入して楽しむ予定です。上演は明後日まで。チケットはすでに完売ですがキャンセル待ちか立ち見の当日券があるかも。