リタリンが鬱病への適応をはずされ、特定の医師しか処方できなくなってから、随分経ちます。代用薬として注目されている薬が、ベタナミンです。
リタリンもベタナミンも、いずれもナルコレプシーに適応します。しかし、前者が難治性鬱病にも適応していたのに対し、後者は軽度鬱病にも適応するとされています。つまり、難治性鬱病にとっての選択薬が少なくなったわけです。
リタリンやベタナミンがなぜ鬱病に効いていたのかと言うと、鬱病の症状である睡眠障害に効果があったからです。昼間の猛烈な眠気は、必ずしも薬の副作用だけではありません。

ベタナミンはリタリンの弱い薬だといわれていますが、実はリタリンよりも肝毒性が高い副作用が指摘されています。そこで、ベタナミンを処方する医師が藪でないなら、定期的な血液検査をするところでしょう。
ベタナミンで脳を覚醒させると、眠いのに無理矢理脳が働いている感じがして、非常に無理が掛かってきます。従って、ベタナミンを飲んだからと言って過剰に働いたり遊んだりするのは良くありません。
そのベタナミンも、多くの医師は慎重投与としていますので、鬱病患者は昼間の眠気といかに闘ったら良いのか迷うばかりです。一体、リタリンを制限してベタナミンに移行したのが正解なのか、私は疑問に思います

第三の選択薬は、カフェインです。
カフェイン粉末は真っ白なので、これを飲んでいるところを見られると、覚醒剤をやっているのかと誤解されます(笑)。確かに覚醒効果があるから飲むんですけれど。そして、たまらなく苦いです。なので、オブラートに包んで飲んでいます。
処方される純生カフェインの問題点は、安全域が低いところです。0.3g/dayとして1ヵ月分処方されると、それだけで推定致死量に達してしまいます。なので、カフェインも多くの医師は慎重投与とします。

リタリン後の、鬱病患者への睡眠障害対策は、今後も二転三転しそうです。