指宿(いぶすき)着物旅 | はすのやにっき

指宿(いぶすき)着物旅

本日は父方の祖母の米寿祝で、鹿児島県指宿市に来ております。


晴天に恵まれ、爛漫の春を迎える寸前の鹿児島は、どこもかしこも煌めいた姿。


早々に宿に入りましたが、玄関にてお出迎えいただいたスタッフの方は、素敵な着物姿。

働きやすいようにスッキリとまとめられた着姿は、美しいものでした。


必要に足るだけの丈、あくまでも機能的な裄の長さ。

働く者の着物からは、普段づかいのヒントが数多く見てとられます。



さて、今回お邪魔しているのは「白水館」さん。

指宿を代表する老舗旅館として、永い間多くの方に癒しを提供されています。


指宿を旅の先として選んだのは、転勤族であった父の父、彼に伴われ南九州を転々と

巡った、父家族の思い出の土地だからです。


一昨年は、社外研修の意味合いもあり、同じく暮らしていた種子島で伝統工芸である

種子鋏や種子包丁を見てきました。

そういうこともあって、染織こだま社内で使用されるハサミは、種子鋏というわけです。

この切れ味たるや、和裁をされる方には是非味わっていただきたい逸品でした。


そんなこんなの南九州旅行ですが、指宿と言えば温泉。

今回は工芸ではなく、旅文化・湯文化について思いを巡らせる時間となるでしょう。


温泉浴衣についても、そこから得られる新たな知見があるはずと楽しみにしています。



僕は着物を語る時に、つまり衣文化について考えるときに、合わせて食文化や住まい

それ、地域のことや人のこと、なるべく広範な相互作用や影響について考えるように

しています。

それは、それぞれの成り立ちやこれからの発展に、それぞれが持つ要素や背景が色

く関係しあっていると考えるからです。


だから日々の暮らしも、こうして出かけているときも、受ける感銘や学ぶことのボリューム

はかなりのもの。そのどれもが自分の血肉となっていく感じ。


これらはきっと、着物のことを誰かにお伝えする際に、たとえ話や経験談として生かされ

ることでしょう。なんでも、やってみることなのです。


そしてそれは、誰にでも出来ること。

そしてこのウェブ社会、誰とでも共有できる可能性を秘めています。


家庭で伝承されてきながら、現在はどこかで学ばなければならなくなった着物にまつわる

多くのことも、そうした共有や共感で新たな広がりを持つことが期待できます。



はっきり言って「遊びの旅行」ですが、持って帰られるものは多そうです。


あ、そうそう。

お宿の白水館に隣接する薩摩伝承館 。これが一つの見どころ。

やっぱり工芸や歴史から離れられない身としては、とても楽しみにしている場所です。


海山の風景に癒され、温泉を味わいながら、お隣鹿児島の文物を学んで来ようと思います。


染織こだまのどこに生かされてくるか、またご期待ください☆




写真も色々撮ってます。それはまた!

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