新しい『サウンド・オブ・ミュージック』 | 端っこの気持ち

端っこの気持ち

東京の端っこに住む劇団四季と酒をこよなく愛する頑固者が書くいつまで続くかわからん日記…のようなもの

では、昨日観に行った『サウンド・オブ・ミュージック』の感想でも書くとしますかね。演劇


11日に開幕した『サウンド・オブ・ミュージック』。開幕週だからマリアやトラップ大佐等、キャスト変更が無いかと思っていたらいきなりのダブルキャスト。劇場に着くまでは井上マリアか笠松マリアか、鈴木トラップ大佐か芝トラップ大佐なのかドキドキドキドキしてました(ま、キャスト中心で観ているわけではないのでどちらでも良かったんだけどね…)。結果としては笠松マリアと芝トラップ大佐のコンビでした。ストーリーの方は、先日ケーブルテレビで映画版を見ていたので解っていたし、「ドレミの歌」や「私のお気に入り」、「エーデルワイス」等と馴染みの曲が多かったのですんなりと『サウンド・オブ・ミュージック』の世界に入っていく事が出来ました。土曜日だったからか、客席もいっぱい。子役が出てくるので家族連れも多かったです。


では、気になるキャストの感想を。


マリアを演じた笠松はるさん。

智恵さんのマリアも観たかったのですが、My初日のマリアは笠松マリアでした。映画版のジュリー・アンドリュースのイメージが強すぎて、はるちゃんがキャスティングされた事を知った時は「マリアにはちょっと若いのではないかなぁ…」と思ったんだけど、実際に観てみるとこれがとても良かった。「慌て者でお転婆、元気で自由奔放な女の子」というマリアにピッタリだったと思います。そして、とても可愛らしいマリアです。演技の方はメリハリがあって良かったと思います。トラップ大佐への思いに気付いてからのマリアの心の変化がよく解りました。2幕での演技も良かったですね。歌の方も良かったです。綺麗な歌声を披露してくれました。智恵さんや沼尾さんのマリアも観てみたいなぁ。


トラップ大佐を演じた芝清道さん。

鈴木綜馬さんのトラップ大佐も観たかったけど、芝トラップ大佐でMy初日を迎えました。厳格な父親で心を閉ざしている大佐なんだけど、芝さんのトラップ大佐は何となく「熱いトラップ大佐」でした。登場した時は随分と落ち着いた雰囲気だったんだけど、物語が進むにつれて熱くなっていったような気がしました。子供達の成長を目の当たりにして、自らの過ちに気付いて子供達をしっかりと抱きとめる場面は泣いてしまった。祖国への想いを込めて歌う「エーデルワイス」は感動しました。芝さんの歌う「エーデルワイス」、本当に良かったです。鈴木さんや深水さんのトラップ大佐も観てみたい。


修道院長を演じた秋山知子さん。

いや~、良いですね。優しくもあり厳しくもある修道院長を丁寧に演じていたと思います。修道院長が出てくる場面は厳かな感じがして良いですね。凛とした佇まいは観ているこちらも背筋がピンとなる感じです。歌声は素敵ですね。心に染みる歌声を披露してくれました。「すべての山へ登れ」では感動して涙が出ました。マリアと歌う「私のお気に入り」でJRのCMを思い出したのは俺だけかはてなマーク


エルザを演じた坂本里咲さん。

マリアの恋敵的な存在(はてなマーク)のエルザ。『オンディーヌ』のベルタ、『永遠の処女・テッサ』のフローレンス、『アンドロマック』のエルミオーヌと、ヒロインの恋敵的な役を演じる事の多い里咲さん。今回も恋敵的な役ですね。しかもこういう役って里咲さんにピッタリ(誉めてます)。マリアに対してちょっと嫌味な感じが出ていて良いと思います。出番はそんなに多くはないけど、印象に残る役ですね。


マックスを演じた勅使瓦武志さん。

この作品でのコメディリリーフ的な存在のマックス。そんなマックスを勅使瓦さんは丁寧に演じていたと思います。結構、笑いも取れていたと思います。トラップ大佐との友情も見えていたように思います。マックスが出てくる度に心がホンワカとしてきます。音楽祭の後のマックスの運命が気になりますね。



他にもロルフを演じた飯田達郎さんは爽やかだったなぁとか、シスター・ベルテを演じた佐和由梨さん、シスター・マルガレッタを演じた矢野侑子さん、シスター・ソフィアを演じたあべゆきさんのシスター3人組(と言うのかはてなマーク)も個性的で面白かったなぁとか、色々書こうかと思ったのですが、この辺で…。



さて、この『サウンド・オブ・ミュージック』ですが、やはり名作だと言われるだけの事はありますね。以前にも四季以外で上演された時に観てるのですが、今回の演出も良いと思います。何と言うか新しい『サウンド・オブ・ミュージック』を観たという感じです。1幕ではナチスの影がそんなに出てこないけど、2幕になってからはナチスの影がより強くなっていくのがよく解りますね。映画版ではそんなにナチスの影は見えなかったように感じたんだけど…。それにしても、この作品は観た後に鼻歌を歌いたくなりますね。次回の『サウンド・オブ・ミュージック』観劇は5月です。