インプ冬眠の真相と牽引ばなし | 走りかじり虫の日日是好日

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北海道十勝にやってきた「走りかじり虫」一家の暴れん坊日記。

1/10の空港からの帰り、恐ろしいまでの煙幕とともに、なぞの失踪をとげたインプちゃんの消息を話そう。

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まるで、ジェット機の飛行機雲のように煙幕を吐きながら2kmくらい走ったが、いくらなんでもこれは異常だと緊急停止。どうするか思案した。

牽引でいつもお世話になっているKエンジニアリングさんへドック入りさせるべく電話したが、牽引ロープが、O川さんの倉庫に冬眠中のスト公の車内にあることに気付く。

JAFを呼んで、20キロ以上離れた工場まで運ぶのも悪いし・・・

Kさんところは、2週間後の糠平の準備に忙しいだろうし・・・


そこで、僕はひらめいた。そういえば、ラリー北海道の時に、声をかけて下さっていた、地元の謎のレース屋さん?素人メカニックのMさんから、年明けに「いつでも自分たちが作業しているガレージに遊びに来て下さい」とメールをいただいていたことを思い出したのだ。

謎の同好の人たちが集まってやっているガレージにも興味があったのと、場所がまさしく、空港から10km足らずの近い場所であったこともあり、電話をしてみるとすぐに謎のMさんはシビックでやってきた。

そして、まずは謎のガレージ(サティアンと呼ばれているらしい)に、牽引でドナドナされることとなった。

牽引は、され慣れているものの、凍結路面を60キロキープでがんがん走るのでさすがに恐い。

特に、田舎道で時々現れる一旦停止は、凍結で追突しないかひやひやしながら、進む。

幸いエンジンはかかってブレーキは効いたのでよかったが、これがエンジンがかからずブレーキのサーボ(補助装置)なしで、サイドだけとかだとかなりやばかった。


で、そのガレージの詳細については、またの機会に述べるが、更別村という十勝スピードウエイというサーキットがある村の、見渡す限り畑の中の農家の敷地内に建てられたガレージで、元はどこかのライダーハウスだったのを移植して作ったらしい。

内部はなかなか立派で主に自分たちの乗る耐久レースに使うシビックなどの車両を仲間うちで整備したり、気が向いた人がいろいろ自分たちの車を持ち込んで作業する仕組みで、エンジンの載せ替えはもちろん、溶接など何でもできてしまうすごいサティアンだった。

ショップではないので、基本は自分で作業するのだが、メカ音痴の僕には技術的にも無理だし、時間的にも無理なのでどうしようかと思っているとMさんが、エンジンをおろして診てみるとのことなのでお願いしてきた。

幸い、うちにはエル爺も来て、車は2台確保されているので春までゆっくりインプちゃんを預けることにしたというわけだ。今、エンジンをおろして診断中らしいが、かなり病状は進行し、さまざまな病巣が発見されているらしいが、恐ろしくてまだ再診していない・・・


さて、別のブログでハザードランプの話から、牽引のことをいろいろ思い出した。

そんなことを書いてるヒマはないくせに、忘れないうちに書いておくことにする。


だいたいラリー車同士で牽引する場合、短い延び縮みするロープでするので、車間距離は恐ろしく狭い。そして、なまじっか、牽引したりされたりに慣れているので、牽引しているにもかかわらず、やたらと飛ばすわけだ。

ある程度車速が出て、前の車が引っ張らないと安定しないことも事実なのだが、それにしても前の車のバンパーが見えないくらいの車間距離での牽引は今でも恐ろしい。


いつぞや、ダートの練習会で自走不能になった僕の86を牽引してもらいながら、阪神高速の追い越し車線をがんがん走って帰ったことがあった。

引っ張られる方には選択権がなく、問答無用で引っ張られ続けなくてはならず、一種の拷問にも近い。

本来、高速道路は牽引など御法度なのだが、阪神高速道路は高速であって高速でない、いわば高規格道路のような扱いで牽引が許されるらしい。

それもあとから聞いた話で、きっとダメだと言われてもロープなど存在しないかのような顔をして、料金所を通り抜けたかもしれない。因みに料金をちゃんと2台分払ったのか、それとも1台は「モノ」としてカウントされ1台分だったのか忘れた。

昔はそんなに厳しく言われなかったのかもしれないが、そんな牽引されてる車に追い越し車線から抜いて行かれた他の車は、目が点になったかもしれない。


牽引話は尽きない。マーチRに乗っている時代のことだったと思う。

確か、当時ナビの大学の同級生ウマ男に牽引してもらって京都の山の中から国道を通って帰る道で、集落の中、そこだけ少し道幅が狭く、前からバスが来たので、左に寄って待機していたのだが、バスが先に行かせてくれるというので、前のウマ男車は右に切って前進した。だが、ちょうど待機して左に寄せていた僕の車の前には電信柱があったのだ!

僕の車は、いきなり引っ張られたもんだから、そのままなされがままに引っ張られ、電柱に激突!

確か横転したあとだったので、見た目は全治2ヶ月が3ヶ月になった程度で、さほど実害はなかったが「お前、引っ張るとき後ろも考えて引っ張れよ!何すんねん!」と半分笑うしかない状態で憤った覚えがあるが、今となっては笑い話だ。


これまた、相手は同じくウマ男に牽引してもらった時の話。

オメガというバカでかいワゴン車を初めて外車を買ったぜと言いふらし、実は39万円で買って乗っていた時のことだ。

よく走ってくれたオメちゃん号だったが、最後はラリーのダートのレッキにも酷使され、ついに電気系のトラブルでお亡くなりになった。

それを自宅まで牽引してもらった時のこと。

ワイヤータイプの牽引ロープを使っていたが、坂道で信号待ちして発進する時、オメガの重さに耐えられず、ワイヤーがぶち切れて飛んでいってしまったのだ。

僕はあやうく中央分離帯に当たりそうになりながら、ワイヤーが他の車に飛んでいかなかったかヒヤヒヤだった。


牽引時には、ハザードを点けたまま走ることが多いが、右左折時には困ったことにずっと点けてるハザードのせいで、どちらに曲がるかがさっぱりわからないし、後方の車にも伝えられないことがあるので、非常に危険だ。

例えば「前の車におしっこしたいから停まって」と言いたくても、今なら携帯があるが、ない時には、ひたすら引っ張られ続けないといけない。

右左折時には、できるだけその時だけはハザードを消して後続車にウインカーで知らせようとするのだが、冒頭のサティアンに連れて行かれるような、行き先もわからない時には、それもわからず本当に心細くなるものである。


最も恐ろしいことに、エンジンがかからない場合、ブレーキにはパワーアシストが効かないので、思い切り踏まないと停まらず、サイドブレーキに常に手をかけて、すぐにサイドで停まれるように調整しながら走るという高等テクニックが要求される。


これも20年以上も前の古い話で恐縮だが、兵庫の篠山の北の多紀連山に夜中に練習に行ったとき、エンジントラブルでAロッピー様にSOS電話し、牽引してもらった時は延々篠山からの峠をサイドブレーキだけでドナドナされたのを今でも覚えている。


以上、図らずも牽引される側の達人になった僕の牽引され話を披露した。

こうして見ると、ウマ男くんをよく夜中に引っ張り回していたが、実は引張り回していただいていたのは僕の方だったことも図らずもよくわかった。


でも牽引はいわば「引き回しの刑」に等しいので、できればあまりお世話にならない方がいいだろう。JAFを素直に呼んで、連結してもらうのが一般的にお奨めなので、善良な一般人の皆さんは真似をしないよう、くれぐれもお願いしたい。