杉さんがきれいな雲の写真を送ってくれました。撮影日は昨年の12月20日。場所は静岡県の島田市です。帯状の雲が平行に並んでおり、これは放射状雲と呼ばれます。
見るからに高いところにありそうなので、巻雲の放射状雲でしょう。
雲の形を見れば、上空の風がどう吹いているかを推測することができます。雲は上昇気流のあるところで生まれ、下降気流のあるところでは消えるからです。
上空を吹く強い風は波打ちながら上下運動をしながら進むことがあり、波として上昇するときは冷やされて雲を作り、下降するときは暖まって雲を消します。つまり、風は雲の帯に平行に吹いているんじゃなくて、直行しているものと思われるのです。
上の二枚の写真では、手前が西、奥が東の方向になるから雲の帯は南北に空を横切っています。この時期、日本上空では偏西風が強いから、矛盾しないように考えれば、上空の風向きは西と思われます。
気象衛星の赤外画像写真では、偏西風の強風軸(ジェット気流)に対応した位置に、風向きと直行した巻雲の列が見られることがあります。これを地上から見上げた時、南北に伸びた巻雲の放射状雲として観察されることになります。
この日の天気は快晴に近く、地上の天候は穏やかでした。でも、上空には強い風が波打ちながら吹いていて、大荒れだったことでしょう。
杉さんは、そんな上空の強い西風の足跡を写真に撮ったのだと思いました。