コーヒー コンサルタント 長谷川雄一

コーヒー コンサルタント 長谷川雄一

コーヒーに関するニュース、
おいしいコーヒーを飲むコツ、
コーヒーのマーケティングについて。

Amebaでブログを始めよう!
2013年のコーヒー豆輸入量は、457,000トンで7年ぶりに過去最高を更新したそうです。
(財務省 貿易統計より)

つまり、コーヒーの消費が大きく伸びたということですが、コンビニのカウンターコーヒーの影響が大きかったようです。

セブンイレブンの展開するセブンカフェだけで、年間 4億5,000万杯の販売見込とされています。
仮に1杯10gのコーヒー豆を使うとすると、コーヒー豆の量は4,500トンを使用することになります。
ただし、これは焙煎された豆なので、焙煎前の生豆に換算すると約5,600トン。
(コーヒーの生豆を焙煎すると、20%くらい軽くなります)
日本のコーヒー豆輸入量の1%以上をセブンカフェが占めるわけですね。

日本のコーヒーは成熟市場と思われていましたが、いきなりこれだけのシェアを取ってしまう、というのはすごいことだと思います。

成功の要因を探るため、マーケティングの4Pを整理してみます。

・全国16,000店という店舗網(販売チャネル:place)
・挽きたてで香りが良く、飲みやすいドリップコーヒーの提供(製品:Product)
・1杯100円という手に取りやすい価格(価格:price)
・店頭でのPOP、PRを活用したニュース発信(プロモーション:Promotion)

上記の4つがうまく組み合わされたのがヒットした理由なのでしょうが、特に圧倒的な店舗数という、他ではマネできない強みが効いていると思います。

コーヒーをマーケティングにうまく活用したのは、実はマクドナルドが先でした。
3000店以上の店舗網をベースに、「低価格でおいしいコーヒー」を武器にして集客数を増やしていたわけです。
しかし、景気の状況などもありますが、コンビニコーヒーが好調になって以来、既存店売上高は減少しています。
コンビニコーヒーの影響を大きく受けてしまったと考えられます。

商品の面でも、セブンカフェはマクドナルドには無い「挽きたて」という価値で差別化を図っています。
実は、セブンカフェとマクドナルドのコーヒーを飲みくらべると、味の印象は割と似ています。
しかしセブンカフェは挽きたてである分、香りや味の一定度で勝っていると言えます。

「後発で参入し、先行者から市場を奪う」ためには「自社の強みを活かし、相手を上回る価値を提供する」という、非常に参考になる例だと感じました。