〇長谷川岳議員
いよいよプーチン大統領との会談もございますけれども、日ロ平和条約締結に向けた総理の思いを伺いたいと思います。

 

 

 

○安倍晋三 内閣総理大臣

先般、元島民の代表の皆様とお話をいたしました。それぞれ大変お年を召されていて、何とか元気なうちに自由に行き来できるように、そして自由に墓参ができるようにしてもらいたいという切実な思いが伝えられたところでございます。
この日ロの平和条約については、また四島の帰属の問題については、五六年の宣言以来、それ以降は、ソビエト時代は領土問題は存在しないというソ連側の日本側への返答がずっと続いたわけでございますが、その後、エリツィン大統領が登場し、そして橋本さんとの間で、例えば川奈における会談等で打開されていくかと、こう思われたんですが、これがなかなか難しかった。そしてまた、プーチン大統領が登場し、そしてイルクーツクで森総理と会談をし、また更に機運が高まってきたんですが、その後いろいろなことがあり、しかし、なかなか、残念ながらずっと停滞をしてきたわけでございます。この停滞を打ち破るために、ソチにおいて、突破口を開くために、未来志向で、そして今までの発想にとらわれない新しいアプローチで解決をしていこうということで一致をしたところでございます。
先日、ウラジオストクにおいて、プーチン大統領とは十四回目の首脳会談を行うことができたわけでございます。その首脳会談においては、約五十五分間、一対一のテタテの会談を行いまして、相当突っ込んだ議論を行うことができたと思います。交渉を具体的に進めていくという道筋が見えてくるような手応えを感じたところでございます。
また、プーチン大統領には、この領土問題について、平和条約の交渉について、あなたもあなたが言っていることは一〇〇%自分は正しい、そういう確信の下、述べておられるんだろうと思うし、私もそうですよと。しかし、お互いがそういう議論を続けていけば、あとまた七十年たってもこの問題は解決できないのではないか、お互いに責任感を持って、自分たちのときに解決をするという強い意思を持って交渉を進めていこうではないかということを申し上げたわけでございますが、今を生きる世代としてこの問題を解決をしていく強い決意を持って臨みたい。
先ほど、世耕経産大臣からも、また担当大臣からも答弁をさせていただきましたが、ペルーにおいて進展ぶりをしっかりとこの八項目を含めてチェックをしながら、十二月のプーチン大統領の訪日に向けて準備を進めていきたいと、このように思います。

 

 

 

 

○長谷川岳議員

プーチン大統領との会談は十二月十五日を予定されておりますが、この日はくしくも高杉晋作が功山寺にて挙兵をした日でございます。明治維新に直結した重要な日です。二〇一二年の総選挙、十二月十六日、高杉晋作が馬関を襲撃した日です。それから、二〇一四年、総理が決断した総選挙、十二月十四日、これは高杉晋作が長府に戻って遊撃隊を仲間に入れると。十二月の十三、十四、十五、十六というのは、高杉晋作の、明治維新にとっては最も重要な四日間であると私は認識をしております。行動によって風景を一変させるという高杉晋作の行動は、まさにこの吉田松陰先生の「猛を発する」ということに尽きると思います。
総理、今回のプーチン大統領との会談で、人生二十一回猛を発すると決められた吉田松陰先生の残されたうちの一回を是非とも発していただきたい、そのように思いますが、総理、一言思いをよろしくお願いいたします。

 


○安倍晋三 内閣総理大臣

十二月十五日がそういう日だったということは、私残念ながら知らなかったのでございますが、こういう話をすると、馬関襲撃等々、小倉側の人たちはちょっと不愉快になったりとかすることがございますので余りお話をしないところでございますが、しかし松陰先生が二十一回猛を発する強い決意を持って今までの発想にとらわれない行動を取っていく。松陰先生は残念ながら二十一回まで行かず三回目でこれお亡くなりになられたわけでございますが、私もしぶとくこの交渉は続けながら何とか結果を得ていきたいと、このように決意をいたしております。

 

 


○長谷川岳議員

是非とも日ロ平和条約締結に向けて御尽力をいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。