水上勉 木綿恋い記(ゆふごいき) | 由布市商工会 挾間支所のブログ

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水上勉の小説「木綿恋い記(ゆふごいき)」を紹介します

昭和の文豪、水上勉さんの作品です
由布市を舞台として戦中、戦後の塚原、由布院、湯平温泉の様子を
鮮やかに描いています

木綿恋い記(上)
木綿恋い記(上)
万葉集にも歌われる別府の奥の由布岳の麓に生まれた娘に、砕石工夫だった父は
由布(ゆう)と名付けた。その父は彼女が十歳のときダイナマイト事故で
あっけなく死に、病弱だった弟も幼くして世を去った。敗戦直後の貧しさから
温泉旅館の芸者になった由布は、酔客に手込め同然に処女を奪われ、以後、
客にからだを売るようになる。そんな由布を心配した母は、同郷のつてを頼って
東京へ行きマッサージ師の勉強をするよう勧めた……。
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木綿恋い記(下)
木綿恋い記(下)
上京してマッサージ師の勉強を始めた由布(ゆう)は、勧める人あって
繊維業者の愛川と所帯を持った。彼女の着ていた父の遺品の古セーターを
ヒントに大ヒットを飛ばした愛川は、会社が大きく成長するにつれ、
田舎育ちの由布に満足しないようになる。離婚の代償に渡された金と家を元手に、
温泉旅館時代の友だちの助けを借りて飲み屋を始めた由布には、
思いもかけぬ事業の才能があったのだった……。
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別府や由布院に米軍が駐留していたこと
由布院に赤線があったこと
かつての湯平温泉の華やかなりし時代
日出生台から朝鮮戦争への出兵
戦争を知らない世代の私たちが、世相を踏まえた
地元地域の様子を知ることができます

また、一人の女性の運命を愛情こめて描き、
時代をも鮮明に浮かびあがらせた傑作長篇です

内容的には「おしん」に近いですが
「おしん」よりもずっと前に書かれていますので
「おしん」の方が「由布(ゆう)」に近いというべきでしょう

東日本が「おしん」なら
西日本の「ゆう」!!!
女性の生涯を描いて追随を許さない水上文学の白眉です!

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