日本のテレビを見る方法として既にインターネットテレビを紹介済みですが、今日はもうひとつの方法を紹介します。
それは、パソコンやスマホやタブレットで動画サイトを使って見るという方法です。
中国ではグレートファイアウォールのせいでYouTubeにアクセスすることはできないのですが、YouTubeと同じような動画サイトがたくさんあって、たいていの映画やテレビ番組を視聴することができます。
主なサイトとしては、土豆(トゥードウ)、优酷(ヨウク)、爱奇艺(アイチーイー)、嗶哩嗶哩(ビリビリ)、AcFunといったものがあります。
土豆と优酷はライバルとして業界一位の座を争っていたのですが、法人としては2012年に合併しました。しかし、会社の合併後も、サービスとしては土豆と优酷の2つのサービスが並行して存在します。
両社が合併してできた合一集団には、その後、阿里巴巴(アリババ)が出資したので、現在は阿里巴巴グループの一員になっています 。
爱奇艺(アイチーイー)は百度(バイドゥ)の傘下企業で、業界首位の合一集団を追撃しています。
嗶哩嗶哩(ビリビリ)とAcFunは共に、日本のアニメ文化(萌え文化)の影響を受けた人が創業した模様で、サイトイメージが萌え系です。
AcFunの「AC」とはアニメとコミックを意味しているのだそうです。
アメリカがYouTubeの独占状態なのに、中国ではたくさんの動画配信サイトが競争しているのを見ると、一体どっちが資本主義国なんだ?という不思議な気分になります。
これらのサイトはどれも似たようなもので、特にお勧めのサイトという概念はなく、見たいコンテンツがたまたまアップロードされているサイトを選ぶということになります。
僕はスタートアップ用のアプリサイトとしては爱奇艺を愛用しています。
このサイトで作品を検索すると、他のサイトにアップされている作品まで出てくるからです。
例えば下の写真は爱奇艺で「踊る大捜査線」を検索したところなですが、一番上に出て来たサムネイルの横に「来源:acfun」と書いてありますよね。これはAcFunに載っている動画を爱奇艺が紹介してくれているわけです。
もちろん、検索結果をクリックするとAcFunに飛んでそのまま動画再生ができます。
日本のテレビ番組や映画は、中国のテレビ放送や映画館ではごく限られたものしか見ることができないのですが、これらの動画サイトを使えばたいていのものは見ることができます。
それらの動画には著作権者の許可を取った公式配信と、個人が勝手にアップロードした違法動画が混在しています。
大雑把には、最新の作品は公式配信されているもので、昔の作品は違法動画である場合が多いようです。
日本の最新のテレビドラマやテレビアニメの公式配信の場合、日本で放送されてから数時間後にアップロードされるようです。
この時間差は中国語の字幕を作る手間がかかるからだと思います。
公式配信されている動画は、動画サイトが著作権者から配信権を買って、広告収入によってそれをまかなっています。
YouTubeと同じように、再生ボタンを押すと冒頭にCMが流れ、また本編再生中にも時々、画面の端っこに広告のアイコンが出てきます。
尚、中国のテレビドラマや映画の中には、そのサイトの有料会員にならないと見れないものもあるようですが、日本の作品はそういう対象にはなっていないようです。
違法にアップロードされた動画は、YouTubeと同様に、著作権者の申し立てによって削除されてしまうことがあります。
削除された作品については、百度知道に「○○はどこで見れますか?」という質問が流れ、誰かが百度网盘にアップロードして「ここで見れますよ」と回答していることが多いです。
僕は福山雅春主演の『ガリレオ』を第3話まで動画サイトで見た翌日に、第4話を見ようと思ったら動画が削除されていることに気づき、百度知道で他の人が質問しているのを見つけて百度网盘からダウンロードして、無事につづきを見れたという経験があります。
日本のドラマや映画を視聴する際にちょっと厄介なのが、それらの作品のタイトルが中国語であることです。
例えば、木村拓哉主演の『Hero』には『律政英雄』というタイトルが、綾瀬はるか主演の『おっぱいバレー』には『巨乳排球』と いうタイトルが付けられています。
日本のタイトルよりも内容に忠実なタイトルになっていることが多くて面白いのですが、自分の見たい作品が中国で何と呼ばれているかを事前に知る手段がないので、作品を検索することができません 。
見たいドラマや映画のタイトルを百度に日本語で入力すると、ちゃんと検索結果に百度百科の該当ページが出て来ます。
例えば、「踊る大捜査線」という言葉で検索すると、字体はちょっと違いますが「踊る大捜査线」という百度百科のページが一番上に出て来ます。
そして、それをクリックするとあら不思議。
辿り着く百度百科のページは「跳跃大搜查线」という中国語のページなのです。
あとはこのタイトルをコピーして、爱奇艺で検索するだけ。
便利な世の中ですね〜。
この「日本語で入力しても検索できる」という百度と百度百科の特色は、もちろん動画を探す時だけじゃなくて色んな場面で役に立ちます。
例えば、辛亥革命の孫文は中国では「孫中山」という名前で呼ばれています。そんな風に日本とは違う名前で呼ばれている有名人がたくさんいるのですが、それを知らずに百度で「孫文」と検索しても、ちゃんと百度百科の孫中山のページが出て来ます。
じつは僕は、日本にいる時はテレビドラマや映画を殆ど見ていませんでした。
テレビは小学生の息子に独占されていましたし、映画も息子に合わせて『ポケモン』とかしか見に行く機会がなかったのです。
中国に来て、殆どどんな作品でも無料で見ることのできる環境になったのを幸い、やたらと見まくっています。
木村拓哉の『Hero』はシリーズ全作品を制覇しましたし、今は織田裕二の『踊る大捜査線』のシリーズ制覇を目指しているところです。