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同級生×同級生
その知らせが私の元に届いたのは、まだ桜のつぼみも色づく前。
長引く朝晩の寒さに身を縮ませ、春の訪れを待ち遠しく感じていたころ。
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◆◆ 平成○年度卒業生 同窓会のお知らせ
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卒業から12年。
アパートの集合ポストの中、当時机を囲んだ仲間達との再会を願う知らせを見つけた時は、まさか自分が出席することになるとは思わなかった。
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「お願いっ!今回だけはどうしてもキョーコさんにも出席してほしいの」
昼休みに職場近くのカフェに呼び出され、パンッと勢いよく顔の前で手を合わせた天宮さんに思わず苦笑してしまった。
「天宮さんが幹事なんてめずらしいね」
正直言って、彼女も同窓会なんて喜んで行くタイプじゃないと思った。
「私だって、ただ1年間同じ教室で机並べたってだけで再会を盛り上がれるようなおめでたい性格してないわよ」
ズズッとアイスラテを啜り、苦々しい顔で呟く天宮さん。
どうやら彼女自身にも思うところがあるらしい。
事の発端は先日街で偶然会った、高校時代の部活仲間との会話だったらしい。
「絵梨花のやつ、『B組の同窓会はほぼ全員出席の連絡が来たのよ。天宮さんのクラスは?…あらそれだけ?結構人望ないのね』ですってっ!」
天宮さんはカバンをゴソゴソそ探るとノートを取り出し、カフェの机で猛然とペンを走らせ始めた。
「A組だって余裕で全員参加に決まっているじゃないっ」
「あ、あの、天宮さん…」
「はっ…あぁ…ごめんなさい」
我に返った天宮さんがノートを閉じるのを見届けて、両手で持っていたカップを置く。
「でも私、高校時代の友達って天宮さんとモー子さんだけだし。わざわざ同窓会に行かなくても、こうして会えるし…」
どうにか欠席の方向に話を向けようとモゴモゴと口先を動かすけれど、付き合の長い天宮さんには到底通用しない。
「相変わらず言い訳がヘタクソね」
「うぅ…」
天宮さんはまたアイスラテを一口啜ってから、まっすぐに私を見据えた。
「彼も来るのよ」
「っ…!」
「言ったでしょう、全員出席だって。強制参加に決まっているじゃない。彼は撒き餌なんだから」
☆☆☆
イタリア南部のヒルタウンをイメージした真っ白な建物に深いブルーの扉。
今日はここを貸し切りにして同窓会を行うらしい。
受付を済ませて中に入ると、立食形式の店内には既にほとんどの人が集まっていた。
「キョーコ」
スタッフの人に上着を預けていると、耳慣れた麗しい美声が私を呼ぶ。
「モー子さぁんっ!!」
一月ぶりの親友との逢瀬に思わずいつものように飛びかかってしまい、麗にネイルを施した細く長い綺指先が私の顔面を掴む。
「もう、場所を弁えなさいよっ」
「ごめんごめん。つい嬉しくていつもの調子で…」
プリプリと怒りながらも私が傍にいるのを許してくれるモー子さんに、嬉しさを隠せない。
近くを通りがかったウェイターからドリンクを受け取り、しばらく近況を報告し合っていると、入口の方が歓声と共に随分とにぎやかになった。
ー来た!敦賀君よっ!
ーはぁ~今日来てよかったぁ!!
周りから聞こえる声に心臓がドクンと大きく跳ねた。
「やっぱり来たのね。敦賀くん」
「…うん」
天宮さんが今日の同窓会を全員出席にするための切札。
敦賀蓮君。
会場に入るなり、男女問わず大勢の人に囲まれている敦賀君。
成績優秀で容姿端麗。
品行方正で先生方からの覚えも良く、スポーツはなんでも熟す。
いつも彼の周りにはたくさんの人がいた。
今日も一人一人と挨拶を交わす彼に、久しぶりの再会を歓び懐かしむ人達で人だかりが出来ている。
暫くすると、彼の周りから女の子だけが気落ちした様子でどんどん離れていった。
「何かあったのかしら」
最初は興味がなさそうにしていたモー子さんも、その異様な光景に気づいた。
ーやだぁ…嘘でしょう!?
ーそんなぁ…
あちこちで聞こえる女の子たちの話し声。
その様子を不審に思って見渡す私たちのところに、幹事を務める天宮さんが駆け寄ってくる。
「キョーコさんっ」
「あっ、天宮さん。どうしたの?」
「それが…」
慌てた様子の彼女の視線が敦賀君の方へと向けられたとき、ひと際大きな声が聞こえてきた。
「えぇっ敦賀くん、結婚してるの!?」
思わず振り向いた瞬間
視線が重なった。