こんな時間にこんばんは。
予告とは違うお話ばかり書いてます(;´Д`)ノ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
英語教師×女子生徒
シンと静まり返った教室内に響くのは、チョークが黒板を叩く音と低く甘い声。
教壇に立つ長身の英語教師が発するネイティブのように流暢な英文をひとつも聞き漏らさないように、教師の動作をひとつ残らず目に焼き付けようと、教室内の空気は張り詰めている。
しかし、そこはかとなく漂う空気は決して試験前の緊張感溢れるものではなく、甘くピンク色をしている。
異性の目が届かない女子校内において、この3年4組の金曜日5時間目は生徒たちにとって至福の時間となっている。
女生徒たちの熱い視線の先にいるのは、今年赴任してきたばかりの英語教師。
190を超える長身にバランスの取れた四肢と整った顔立ちは、そこら辺のモデルや俳優が真っ青になるほど美しい。
新学期を迎えた4月。
新任教諭の紹介の場で、あまりの美しさに生徒たちが見惚れ、一瞬にして校内の話題を独占する存在となった。
「では次の例文の訳を…最上さん」
「はい」
敦賀先生が私を指名すると、教室内の視線が一気に私に集まる。
そんな周囲の視線を無視して解答だけを淡々と答える。
「いいでしょう。では次…」
今日も授業は恙なく進み、終了の合図が鳴る。
「では、先週出した課題を集めます。…最上さん、全員分を集めたら英語準備室まで持ってきてください」
「はい」
そう言って敦賀先生は教室を後にした。
「またキョーコさんご指名?普通は日直でしょう?」
放課後、クラスメイトの天宮さんが私の席まで来てボヤく。
「敦賀先生、面倒くさがっていつも学級委員のキョーコに頼むわよね」
親友のモー子さんも呆れたように言う。
「まあ、仕方ないわ。まだこの学校に来たばかりだもの」
何でもないように答え、ノートの束を抱えると私は席を立った。
「手伝おうか?」
「ありがとう大丈夫よ。先に帰っていて?」
軽く手を上げて、英語準備室へと向かう。
私の足取りは軽い。
「敦賀先生、ノートを集めてきました」
軽いノックの後、返事を待たずに準備室へと入る。
「まだ「どうぞ」と言ってませんよ?」
「ご迷惑でした?」
先生がゆっくりと近づいてきてノートの束を片手で受け取ると、長い腕を伸ばして準備室の扉を閉め静かに鍵をかける。
「鍵…」
「何か不都合でも?」
そう言って、私の頬に触れる敦賀先生の少しひんやりとした長く綺麗な指先。
「いえ…」
その指が辿る先に意識が集中して、返事が疎かになった。
「じゃあもう黙って、キョーコ」
先生の指が器用に制服のリボンを外す。
それを合図にゆっくり目を閉じると、先生の甘く爽やかな香りが一層私に近づいてきた。
放課後の運動部のにぎやかな掛け声や、廊下を歩く生徒たちの楽しそうな話し声をどこか遠くに感じながら、私は先生の長く逞しい腕に包まれて、身体を委ねた。