せっかくなのでホフステッド指数について | Security, time after time II

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※ブログにおける記述・発言等は私見であり、所属組織等の見解ではありません。

こんばんは。3連休でしたが、みなさまはいかがお過ごしでしたか?私は・・・あまり体調が良くなくて、ほぼ何もしてなかったりします。

そんな中でちょっと作業してみたのが「ホフステッド指数」についてです。かねてから人的な組織風土や人と組織の関係と、情報セキュリティ問題について関心があるわけですが、ちょっと脱線してこれが国際間でどんな差になるのか、などを考えてみたりしました。

ホフステッド(ホフステード)について
ヘールト・ホフステッドはオランダ人の学者で、IBM社内で40カ国約11万人の従業員に対して行った調査結果を分析し、「権力の格差」、「個人主義対集団主義」、「男性らしさ対女性らしさ」、「不確実性の回避」という4つの「次元」で定義しました。最近ではさらに「長期的な視野をとるか」、「自己抑制的か」という2つの次元を追加しており、合計6つの次元を使っています。調査と分析の結果である各国の指標についてはありがたいことにエクセルなどのデータで公開されています

これを使って2国間の国民性の文化的距離、というようなものを算出する方法を考案したのがコグートとシンで、この「コグート-シン指数」というべき数値が大きい(2国間の文化的距離が大きい)とビジネスリスクが大きくなると主張しています。

情報セキュリティについても内部からの情報漏洩などについてはこの指標を使って、各国別のリスクを検討できたりしないかとも思います。なお、この種の研究については私のゼミの先輩でもあられる長岡技術科学大学名誉教授の淺井先生が2つめの博士論文で調査・分析をされているのですが、これも大変興味深いです。概略は情報セキュリティ大学院大学の紀要に掲載されているので、ご関心のある方はダウンロードしてみてください。