物事の評価の方法はいろいろありますが、その表現の方法も様々あります。
例えば新しい血圧の薬を開発し、販売するときには臨床試験を行います。
500人の患者さんのうち10人に効果があったとします。
その時に10人の患者さんに効果あり、と宣伝するか、2%の患者さんに効果ありと宣伝するかで印象が変わります。
500人の患者さんで10人なら、10000人なら200人です。
100000人なら2000人です。
恐らく日本の高血圧の患者さんの人数はもっと多いですから、例えば100000人だとしたら20000人に効果あり、と宣伝できるわけです。
しかし、パーセントによる表現を用いれば2%に効果あり、のままです。
逆に50%の人に効果あり、となっていても日本に患者さんが2人しかいなかったら結局1人にしか効果がない訳です。
製薬会社は自分の都合のいいように表現します。
恐らく、製薬会社に限らずほとんどの企業は自分の都合のいいように表現していると思います。
同じことを言っていても印象が違えば、それは違うことを言っているのと同じなのです。
では、どちらの表現のほうがいいのでしょうか?
1%にしか効果がなくても20000人に効果があれば、その薬は有益です。
100%に効果があっても、1人しか患者さんがいなければその薬は日本にとっては有益とは言えません。
パーセントによる表現は便利なので使いたかったら使ってもいいのでしょうが、それだけだと間違った解釈をされる恐れがあります。
絶対数による表現は必ず必要だと思います。
パーセントによる表現は効率を表します。
絶対数による表現は効果を表します。
そこを理解していないと、表現方法により真実が見えにくくなってしまいます。