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夜の帳(とばり)
降りてきたら
川辺の岩場で
たき火をおこす
大きく写る影に
おどろいて
パチパチと燃える
木の香り優しい。
水辺には
森の鹿たち
のどのかわき満たすため
そしてあなたは
わたしの手をとり
小さな声で
唄を口ずさむ。
それはむかし
一緒に唄った唄。
そうよ
いつもわたしたちのなかで
鳴り響いていた
星☆の唄。
忘れていたとおもったけれど
本当はずっと
いつも
覚えていた。
月の明かり。
そのやはらかい
丸みに
幾度あなたを
思い出しただろう。
遠くにいても
会えなくても
同じ月をみていると
励まされた。
丸い丸いお月様。
そっと抱きしめ
ピンクのリボン
今度はあなたへの
プレゼント。
鹿たちの
水をのみほす音
静かに
ききながら。
真っ白の雪がつもると
それは
とっても深い池のような
蒼になるの。
わたしは7日
あおい雪の中
こもっていたよ。
毎日毎日
絵を描いて
雪といっしょに
すごしていた。
部屋の窓の外
大きな大きな木があって
ふんわり雪を
両腕に抱えていた。
ある日
その木に桜が咲いてた。
雪が降る中
たしかに見えた。
桜の木の下
あなたが笑っていたよ。
桜の花びら散る下で。
それから一花月。
電話がなった。
桜の木の下で会おうと
あなたが言った。
桜桜。
わたしたちの中で
ずっと咲いている。
桜桜。
大好きな桜。
あなたへと
続く一本道?
いいえ。
あなたへと続く道は
限りなくあるの。
それはとっても自由なの。
空からも降りていけるし
大木の上にも
あなたはいるし
水辺の船の上に
ひょっこり顔をだすこともあるわ
わたしたちは
大海原にこぎだして
知らない国へも
一緒にいける
大きな雲
綿あめにして
ほおばりながら
ねえ、次はどこへいく?
羊たち
追いかけながら
平原を
ゆっくりと
歩いていこう
山々に
立ち上る
霧と
暗い夜
月の銀のりんごを
ほおばりながら
道ばたの小さな花束
「非国民!」という
大きな声で目が覚めた。
一体何があったの?と
あなたを見つめる。
ほっそりとした体に
軍事服
全くにあわず
あなたは
戦場につれていかれる。
あなたはきっと
抜け出してきたのだろう。
食べ物さえも足りないそこで
道ばた
小さな花を
ありったけ摘んで
わたしのところへ
運んでくれた。
あなたのせいいっぱいの愛を
受けとめようとした時
非国民となじる声。
とらえられるあなた。
溢れる涙。
わたしたちは 今
平和な世界で
再びめぐりあった。
あのとき
渡せなかった
愛の花束渡すために。
でもね。
わたし嬉しかったよ。
あなたは文字通り
命がけで摘んでくれた
道ばたの小さな花束。
ずっとずっと
心の中に抱えて
産まれてきたんだね。
あなたの優しいまなざし
戦争はまったくにあわなくて。
あなたもわたしも
とっても傷ついたけれど
もう。。
それは捨てていい。
心のはじに残っていた
罪の意識。。。自制心。。
今 空へ
解き放つ。
adieu! そして。。 ありがとう。
わたしたち広い広いなだらかな丘の上
手と手を繋いで歩いていたね
だんだん広がるグレーの雲は
もくもくとまるで蒸気機関車みたいに
黒くなって
ザーザーと大粒の雨を
降らしてくる
丘のむこう青い空みえるけど
わたしたちの上だけ
ザーザー降って
まるでシャワーだねって
キャッキャと笑いながら
二人転げるように丘を降りていく
むかし流した涙たち
今頃空から降ってきたの?
あんなに
あんなに泣いたけど
今はほら二人一緒
手と手を繋いで笑っているよ。
やがて雲は
流れに流れて
夕日が落ちて
サーっとやさしい太陽の光
天使のはしご降ろしてくれて
あたり一面黄金(きん)色に染まり
あなたの顔も
わたしの顔も
golden color
さっきの雨の名残の虹のプレゼント
小さな虹も
いっぱいいっぱい空に広がり
「あの虹の色も
君の絵の具箱に」って
あなたはほほえむ。
そう
いつもあなたは
色を運んでくれる
魔法使い。
大好きな
大好きなあなたと一緒に
わたしは絵を描き続ける
虹色に輝く色を
ちりばめて
青い空へと
昇るエレベーター
わたしの心のせて
あなたへと届く
ぱたぱたとヘリコプターの音が
空を飛び
ざわめく人々の声 一瞬とまり
ひと筋の光
わたしの掌に降りてくる。
遠くにいても
あなたには
わたしの中の蝶ちょの
はばたきさえ届き
そっとのびるあなたのやさしい指
唇に ふれる
瞬きするよりも
あなたのことを想い
あなたの幸せを願う
遠くにいても
あなたは
わたしと同じ事を感じるからと
あなたはそういったから
沢山の美しいものを
ふたりの 歓びのため
わたしの中に注ぐよ。
あなたこそ
私の
輝く星。
寄り添う双の☆。
いつも
感じている。
今あなたは
同じ空の下
この雲を見上げて
ゆっくりと流れる
雲の中
無数に笑う天使たち
感じているよ。
二人一緒に
笑える日まで。
わたしが
渋谷の文化村で
ロマン派の詩人の恋を描いた
映画ブライトスター
をみたあと
書いた詩です。
http://www.brightstar-movie.jp/index.html
ブライトスター
things of beauty is joy forever..
わたしが高校生の時から好きな
詩人。
ジョンキーツ。
彼が愛した恋人の目からみた視線で描かれた映画。
ブライトスター。
輝く星。
ブライトスターは
キーツが亡くなる前
最後にイタリアで療養しているときに
シェイクスピアに本に走り書きした
愛する人に捧げる
最後の詩です。
わたしも
沢山詩を書いています。
いつか詩画集にしたとおもっています。