コトバ家 吉井春樹です。
「あなたは転がる石みたいだね」
と、言われたとします。
どんな風に
感じ取りますか？
褒められたとおもいますか？
それと
貶されたと思いますか？
「ローリングストーン」
っていうコトバがあります。
「ローリングストーンズ」とか、
ボブディランの
「ライクアローリングストーン」とか、
ときどき、耳にするコトバです。
これって、
どういう意味のコトバか、
ご存知でしょうか？
ちょっと気になって、
調べてみたんですね。
もとは、
「A rolling stones gathers no moss」
日本語訳は、
「転がる石にコケはつかない」
というような意味です。
で、
イギリス方面と
アメリカ方面では
意味をうけとめたあとの、
解釈（まなざし）がちがいます。
転がる石には
コケがつかないというのは
同じ意味としてあるのですが、
それに対する受け取り方、
考え方、がちがうのですね。
イギリスでは、
コロコロかわってしまっては、
大切なものが身につかない。
そこにずっといなさい。
変わらないことが大切。
我慢しなさい。
っていう感じ。
アメリカでは、
ずっと動きつづけることによって、
余分なものがつかなくて、
新鮮さや、軽やかさを保てる。
だから、動きなさい。
変わり続けていなさい。
同じ
「ローリングストーン」でも、
大きなちがいがあるのですね。
大事なのは
どちらが正しい、
どちらが間違ってる、
という感じではなくて、
どちらも、ちゃんと、存在する。
どちらも、ありえるということで、
そのうえで、どちらが好きか、
どちらを、選びたいか、ということ。
「すぐに会社やめちゃだめだよ！』
「やりはじめたら続けないとだめだよ」
っていうまなざしは
「ローリングストーン」でいうと英国。
いつづけることによって
身につくものがあるからいいよ、
っていう考え方。それもほんと。
「ずっと同じとこにいちゃだめだよ」
「あたらしいことどんどんしないと」
っていうまなざしは、
「ローリングストーン」でいうと米国。
同じところにいつづけちゃ
いらないものがついちゃって
どんどん訛っていっちゃうよ、
だから、どんどん動いていいよ、
もっと自由に選んでいいんだよ、
っていう考え方。これももちろんほんと。
続けるしあわせがある
続けないしあわせもある。
続けななきゃダメだと
考えている人にとって
続けることで得られる幸せを
大切にしたい人、ということ。
続けちゃだめだと
考えている人にとって
続けないことで得られる幸せを
大切にしたい人、ということ。
どちらにも
しあわせがある。
どちらだって正しい。
どちらだって愛しい。
続けなさいと言われたからとて
愛されてないわけじゃない。
すぐやめなさいと言われたからとて
信頼されてないわけでもない。
考え方が
ころころ変わってもいい。
もちろん
ずっと同じままでもいい。
どんな一面にも
その面だからこそ味わえる
しあわせがあるのですから。
自分の反対側（に思える）
価値観、考え方、まなざし、と、
戦わなくたっていい。
どちらも
やっぱり
愛されている。
愛せている。
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