"コミュニテイ条項削除"に反対するパブコメの提出 -5 コメントにお答えして | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 ブログにコメントが入っていましたので、お答えしてです。
この回のブログは私の私的な意見を書いているもので、先の意見書を提出した16のマンションのいずれかあるいは理事長の会RJC48を代表しての意見ではありません。
  

<質問を転記>
 
私どものマンション、約400戸は、コミュニティ条項が入ってから、後半、5,6年は争いが絶えません。本来の、区分所有法から逸脱した、解釈が争いの種でした。今回、削除は、むしろ歓迎です。
お伺いしたいのは、既存の自治会と管理組合のコミュニティとは、どう連携するんでしょうか?
わがマンションも、当初は、短絡的に、では、自治会は不要なんだという意見もありましたが、結局、管理組合は、コミュニティにかかわってる暇はなく、管理費から自治会へコミュニティのために、助成をしたため、管理組合としても、助成金の使途が適正か監査もしなきゃいけないし、そこで、自治会と、大もめ、やがては、大喧嘩にまで発展しています。
私としては、マンションは、義務と権利に守られた財産ですから、区分所有法に則るべきだと考えです。
私は、防災、美化、防犯などは、やりながら、良好な近隣関係、居住環境が構築できるものと思います。頭ごなしに、コミュニティは、如何なものでしょうか?コミュニティ論は、いくら論文を読んでも理解できません。それほど、あいまいな言葉です。
マンションにも、いろんなタイプがあります。その、どのタイプにも適合するためには、法律論で行くしかないのではないでしょうか? コミュニティ重視なら、自治会は不要なんでしょうか?
管理組合は区分所有者全員、自治会は加入者だけ、同じマンションで、コミュニティのためのイベントに、ややこしく感じますが。
首都圏のマンションのHPを見させていただきましたが、管理組合のコミュニティと自治会のコミュニティと、どう、関連づけてるのでしょうか?また、首都圏の16管理組合みたいな立派なマンションばかりじゃないということも理解いただきたい、いろんなマンションを包括的に括るのは法律しかないわけです。

 
 「標準」管理規約というからには、殆どのマンションがそのまま利用可能なものでなければなりません。
原始規約の殆どがこれに準拠して作成されますので。
 
 コミュニティに関わる拠出などを管理組合が行うかどうかは各組合の意思が尊重されるべきではと思うわけで、峻別して1円も催事には使わんという組合があっても、現行標準規約準拠の規約でなにも困らないわけです。一方で、自治会が存在せず(自治会をつくるかどうかもマンションごとの自由裁量の範囲内だと思います)管理組合がその役割をかねてきたようなマンションにおいては場合によっては死活問題となります。
 

 役員報酬などの扱いでもそうで、あるマンション・ないマンション両方同数ほどありますが、今の標準管理規約は、役員報酬はあってもよくて、ただ殆どのマンションで0円に初期設定された形になっているので、規約の特別決議に変更はなしに過半数決議で報酬制度を導入できます。報酬の有無を決めるのはマンションごとの自由ですが、そのどちらを選んでも使いやすい規約になっているわけです。使うか使わないか自由で、条項が入っていないと片側が困る(特別決議は通常至難です)場合にはその条項は残しておくことが望ましいわけです。
 
 春先にでていた検討会素案では、既存のマンションが現行の標準管理規約準拠の規約をもっていてコミュニティ条項をそのまま残した場合に、それが区分所有法に違背するかのごときコメントがついていました。
 自治会費訴訟の殆どは、脱退の自由を認めず強制徴収している点が争点で、例えば自治会に対してまとめて組合がサポートを実施することの可否については、東京高裁が積極判断を示すなどしています。改正の趣旨として、不要な裁判などを防止する目的を掲げるわりには、関連の判例を十分に調べずに「区分所有法に違背する」との不適切な判断が下されていた点については強く抗議しましたし、今回の改正素案にはその意見が一定の度合いですが反映されている点については16マンションとしても今回の意見書の中で評価しています。
 
 ”区分所有法の範囲内でコミュニティをやる権能が組合にはない”とすることをサポートする判例などが存在しない以上、”法律論”からおかしな推奨・強制を行うことは妥当ではなく、マンション毎の考えにゆだねるのが妥当だというのが私の考えです。
 少なくとも、既にコミュニティ条項をもっているマンションは今のままそれを削除しないで放置しておけば問題は大きく低減されたという理解を私はしています。
【先週金曜の日経夕刊の記事は、まるで標準への準拠義務があるかのごとき書き方で、非常に誤解をまねくよくない記事だったと思います】
 
 一方で、なお改正案に残っている管理組合の実施可能なコミュニティ活動の範囲を恣意的に制限して、この先はダメよ!とする、管理組合の権能を理由もなく制限するような条項は、根拠のない「余計なお世話」かなと私は思うわけです。法律論でいくならば、種々のタイプにフィットさせるために、今のままコミュニティ条項は”やってもよい”(無論やらない自由もあります)として残すべきだと考えます。
 
 質問された方は「既存の」自治会と書かれていますが、そんな自治会は存在しないマンションは多数あります。
 大規模な再開発地区などで周辺に自治会町内会は存在せず、巨大マンションだけが林立していてそこには自治会は初期設定されていない事例は多数あげることができます。例え地区に自治会が存在していても、500-1000戸ともなると個別の住戸が近隣の自治会に参加したくても断られてしまうのが実情です。16マンションの中には、武蔵小杉や有明のように、もともと地区に町内会組織がなかったことから、時には1万人を超えるような巨大な連合組織をつくって、そこに各マンションが会員として参加するような形で地区のコミュニティの形成している事例もあり、その場合複数のマンションでひとまとまりでコミュニティ形成を目指していく要素もありますから、マンション管理組合からの拠出がマンションの外に対して行われることもあるわけです。
 
 無論、私の住むマンションのように、管理組合組織と自治会を峻別して、会計上も例えば催事や懇親会拠出などは自治会側で進めていくというのも方法論としてありです。うちの場合に問題になるのは実は、年にただ一回だけ通常総会の日に実施している、新旧役員・各種諮問委員会・自治会役員の顔合わせ/引き継ぎを兼ねた懇親会への法人理事会からの拠出程度にすぎません。
 
 懇親会費の問題は実際には、役員に報酬でもだして、その中から拠出すればそこへ吸収させる形で済んでしまう話なので、実際にはさほど切実な問題ではありません。一方で、自治会の存在しないマンションで、”クリスマス””正月餅つき””夏祭り”といった催事が、全員が参加するものではないからで、組合からの拠出を封じられてしまったら、どのようにしてマンションのコミュニティを形成していったらよいのか私には想像もできません。
コミュニティをやるなら自治会を作りなさいというのは本末転倒でしょう。 自由参加、脱退も可能なようなユルイ組織は、存在しているなら使えばいいですが、ない場合に新規に必ず作らなければならないというのはおかしな話です。
 

 この峻別パターンのマンション、防災などへの対応が典型的ですがしばしば管理組合”自治会の主導権争いになりやすく、車の両輪のように仲良く運営できているという事例はあまり聞きません。質問者のマンションでは”大喧嘩”になったということですが、お金を出している側が主導権をもつのは当たり前で、私にはうまいやり方ななされなかったのがその理由であって、「コミュニティ条項があったから」喧嘩になったのだという因果関係があるとはとても思えないのです。
 
 『いろんなマンションを包括的に括るのは法律しかないわけです。』と書かれています。まさにその通りなので、おかしな法律論には抗議していくべきだと考えるわけです。
 16マンションは別に自分が”立派”なマンションだとは思っていないと思います。ただ、条項が削除されてしまった場合には、切実な問題が起こりうる可能性が高いと考えて声を上げてきているわけです。


#コミュニティ条項編は一回まとめをつけてから、ブログ次回はRJC48勉強会第16回のご紹介、その後は滞納への対応編の続きに戻る予定です、予告するとかならず違ってくるのですが。

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