は のらえもんんがブログ
『Wedge2015年7月号「タワーマンション狂騒曲の裏側」を読んでみた』
http://wangantower.com/?p=10272
を書かれるにあたって管理組合の規約・細則関連のやりとりをしました。
この記事は随分湾岸あるいはタワーに悪意を感じるなぁというか、組合でなにが規約でなにが細則での扱いなのかなどを混同していてのらえもんさんの書かれていることに私にも異論はありません。
湾岸のタワーなどのゲストルームは、レインボーブリッジを見下ろす側に設定されることも多いなど”別格に好眺望”で、リビング+寝室つきというホテルでいえばスイートルーム級の設備が、お住まいの方向けの共済目的で、まぁ寝具のメンテナンス+清掃代程度の安価に提供されています。
これに加えて1000戸級メガマンションともなれば、プール・サウナ・フィットネスまであったりして、”名義貸し”されてしまえば、住民としての料金をはるかに超える収入を得られてしまうことから、メガマンションであれば管理組合としても規約・細則あるいは運営上の対応(不特定多数の人への有償でのまた貸しの禁止や、住戸ごとの利用回数制限など)を急ぐ必要があるでしょう。
Airbnb に対して、自分の住むマンションの共用施設を”貸出可能”な部屋として登録しているといった事例は、「検索してみたらなんとうちもだぁ~!!」とかで、理事長の勉強会 RJC48でも話題になっていました。
Airbnb についてはごく最近2つの大きな動きがありました:
福岡県議会におけるやりとりで、Airbnb は福岡県が「旅館業法が適用される」との見解を示したこと
私がこれを読んで思ったのは、まぁ当然かなというものです。
旅館業法はいろいろと旧態依然とした部分はありますが、 "日替わりで" "寝具などを提供して” "不特定多数に” ”有償で業として” 部屋がしして適用されないと読むのは無理があると思います。
特区指定をうけていても”毎日日替わりで”貸し出すことはできないわけですから。
これについては、福岡県議会議員 原中誠志さんの、県議会での質問趣旨が全文こちらに掲載されているようで、何を問題とされているのかが極めて明確です。
→ 原中誠志福岡県議、「『Airbnb』は旅館業法範疇」の見解示す
http://www.data-max.co.jp/270713_dm1353/
東京では、特別区ごとに保健所などを通じて許認可を担当するようなので、区議会あるいは都議会になるのかな・・・・ グレーかも?とか言われているのへの明確な判断がしっかりと自治体ごとに示されるべきだと思います。
うちの区は割と取締りに積極的なのか、保健所の再三の改善命令を無視したAirbnb運営の外国人の逮捕例があります。Airbnbでみててもどんどん増えてきているから区議さん・都議さんがとりあげてくれないかな。
Airbnb に宿泊している母子の子供の転落事故死がごく最近渋谷区であったこと
マスコミなどでのとりあげは、中国人の母子が日本に入国してすぐ、マンションの12階から転落した... というだけで、その部屋が Airbnb で貸し出しされていた部屋であるとは報道されていませんが、いろいろ自分でも物件名や登録情報などをWeb検索してみるとほぼ確実だと思われます。
Twitter などのSNSで取り上げられていましたが、それを綺麗にまとめているのがこちら。”定点観測”ブログはずーっと私も愛読させていただいています。
→ 『日本初のAirBnB死亡事故? 』
http://1manken.hatenablog.com/entry/2015/07/25/100308
もし、この中国人の親子が普通にホテルに泊まっていたとしたら、同じ事故の起こった可能性はずっと小さかっただろうとは思います。
バルコニーの手摺や、窓などが転落防止のために、110cmの高さをもっていなければならないというのは、建築基準法の規定ですから、違法建築でなければ必ず規定の高さは確保されています。
一方で通常のマンションの窓はフルに開放することができても、ホテルなどのある程度以上の高さについている窓で、そこから落っこちることが可能なほどに解放可能な窓とかは私は国内で見たことがありません。ちょっと換気のために窓を開けられても、転落防止のためにそれ以上は開かなくなっているのが普通です。
うちのマンションの妻側の窓とかは110cmに手摺はあっても、フルに開放可能ですが、ホテルならこれは無理だよなとか思うわけで、不特定多数が宿泊する施設として当然に通常のマンションよりも厳しい制限を受けていてしかるべきだと思うわけです。
毎日暮らしている区分所有者の住むマンションでも、バルコニーなどからの子供の転落事故は特に最近頻発しています。通常の分譲マンションは、不特定多数を宿泊させるようには作られていない部分が多々あるんではないかな,,, と今回の事故で思いました
この問題、Wedge の記事では、マンションで貸し出そうとするのが”専有部”なのか”共有部”なのかをごちゃまぜにした話になっていました。
先にまとめてしまうと私は以下のように考えます:
① 共有部であれば、ゲストルームなどが旅館業法適用にならないためにも、またがしなどの利用は、細則などの制定など、組合が積極的に制限していくべき
② 専有部の貸し出しについては、通常の標準管理規約準拠の規約であれば、規約から
”当然に禁止事項である”と解釈するのは難しい
③ 専有部をAirbnbなどで貸し出すことが可能かどうかの法的問題は、それを事業としてやる個人が旅館業法に違背しないかどうかについてはクリアすべきであって本来的には組合マターではない。(合法なら制限することは困難だし、違法ならわざわざ違法行為だから禁止と組合の規約に書き込む必要もない。それを判断することによるリスクは組合が負うべきものとも思えない)
④ 例え都内の”特区指定”を受ける区であっても、日替わりで客を取れるようなAirbnbの殆どの貸し出し形態は、『旅館業法の範疇』であり、旅館業法3条1項は適用。
都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。第四項を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならないのではないか?
⑤ Airbnbによる部屋の貸し出しは激増してきているわけで、管理組合運営サポートを生業にしている人や、不動産コンサルタントなどは、マンションの専有部のAirbnbによる貸し出しは、旅館業法に違背すると思うのか思わないのか、旗幟鮮明にしてほしいなと。
普通に考えて監理組合を運営する理事会側からみれば、”嬉しくはない”案件です。ほかでは管理組合のサポートをしている人が、これは儲かりそうだからで噛んでみるかもでなにも言わないというのではどうかなとは?
その2以降に続きます
#次回は、管理組合の裁量で決められる、より単純な ”共用の宿泊施設のまた貸し”問題から。
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本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、
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