その3までのおまけです。
- メガマンションで、
- 特別決議をやる
- 理事長さん
には役にたつかもしれません。 うちでは議決権行使書は総会の2週間は前に5-10%に達するので、実際にこの方法を使って私が、集票活動をどの程度本気にやらないといけないかを調べて、今回は超本気とか、今回は流して。。。とかやってます。軽く流して出席議決権は93% 超本気モードでは97%くらいでそんなに変わらないのですが(笑)
#読者層が限られる割には、昨日のエントリーには案外アクセスがあったな。案外賛成率90% 議場の議決権出席率80% で掛け算すると3/4に届かないなんて、特別決議の落とし方をするメガマンションは多くて、総会議案の否決って話はとくに湾岸タワーなんかじゃよく聞きます。
その3についてRJC48から来ていた質問:
(1)反対票が先にでてきて、あとのは委任・議決権行使全賛成が多くなるけど?
(2)最大50-60票なんて場合、99% ともっと確度の高い場合まで表を拡張して
ほしい。あるいはうまい評価の仕方があるのか?
ーーーーーーーーーーーー
(1) 反対率の偏り
ここまでのブログの議論は、でてくる票のどこをみても、同じ割合で反対が含まれるという統計的なデータ抽出の大原則があるので、先に反対票が多めに出てくる場合の方法論はありません。
うちもじわじわ賛成率が上がっていきますから、割とどこも似た傾向があるのかもしれません。昨年5月の総会では、最初の80枚で賛成率は85+-4% と予想しましたが、実際には90%でした。あとから反対がでてくるのと違って安全サイドの見積もりにはなります。
うちは、委任状は賛成として予測に加算し、会場で賛否を明らかにする人の賛成率は、議決権行使書と同じと仮定していますが、実際には議案に反対の人は議場に現れない傾向があります。前回の修繕費値上げは、年に10万円以上も負担が増えるので、50票とかの反対がありましたが、議場ではなんと質問なし意見表明なしで説明がすんで1分で採決が終わってしまったからなぁ...
(2) もっと反対がずっと多い場合など
反対が60人とかいる中で特別決議の75%を集めるとかかなりの無茶をやるのは、うちのほかには、この質問をされてきたマンションくらいしかないかも...
表の λ=100まで、あるいはconfidence limits (何パーセント確実って値)
を変えたものは、探してみたらこちらにでています。
↓
http://faculty.washington.edu/heagerty/Books/Biostatistics/TABLES/Poisson/
λを与えると各々の人数が反対する確率は計算できますが、逆に今反対している人数以下になる確率を与えてλを逆に解析的に解く方法は存在しませんから、非常に正確にやるならこの表を利用するしかないことになります。
反対が0人の場合は、本当に100%賛成という場合がありますが、1人でも反対がいれば、反対率が0ということはありえないので、反対率は上限だけでなく下限も計算可能です。この表は、両側に同じ数字を残して信頼区間を求めるためのものですので、その3で私が95%の信頼度で...といっている数字は90%の表にでてきます。
(多い側に空振りする確率で私はいってます)
反対が何十人もいる場合、そもそもPoisson 統計を使う必要があまりありません。
平均出現数λのポアソン分布の標準偏差は σ=sqrt(λ)ですからそれを使って正規分布で λ±2σ の範囲内に入る確率が95%あると思ってよいです。
実際上の表で、λ=100なんて場合をみてみると、ほぼ 80-120が95%の信頼区間になっていますね。
このように反対が多い場合の賛成率の計算は、過半数を目指す通常決議の場合と同じで二項分布での計算でも、特に反対率の”上限”を求める方向では間違えていません。
100人出して 90人賛成10人反対なら、 普通に二項分布で、N=100 賛成率p=0.9 反対率 0.1
σ=sqrt( N * p * (1-p) ) = sqrt( 100*0.9*0.1) = 3 ですから
反対率 0.10+-0.03 の標準偏差の3倍をとって、0.19未満。
賛成率は 3σで 81%以上として、75/81 の割合まで分母を集めると考えればOKです
(ここまでぎりぎりのタフな議決の経験はうちでもあります)。
出現数 10の場合のPoisson 統計による両側2σでの検定は、sqrt(10)=3.16 ですから 10-1.96σ = 3.8 10+1.96σ = 16.2とかなります。(正規分布で近似するとすると、中心値±1.96σに入る確率が95%ですね)
上の数表から引くと正しい答えは 4.8 - 18.4 に95%入るとなりますので正しい計算結果の答えとそんなには違いません。 出現数10でのPoisson分布での検定のイメージはこんな感じです
↓
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/stat/what_is_CI.php
統計の教科書にはもっと多くないと、二項分布あるいは、正規分布に近似できないとなっていますが、見てわかる通りすでにλ=18のPoisson 分布はほぼ対称ですから実用上は、二項分布での近似にかなり耐えますね。
同じように、賛成が過半数であることが3σレベル(まはずれが1000回に1-2回)で確定できるための、通常決議での勝利宣言を出せるまでの議決権行使書の枚数も計算できます。
40枚なら 29枚の賛成で決まり
60枚なら 41枚の賛成で決まり
100枚なら 65枚の賛成で決まり
反対率が50%に近くなってきて6:4とかになるとなかなか決まらないんですよね。
これは、選挙速報でせっているとなかなか当確がだせないのと一緒です。
次回作は、一回まとめをはさんでから。
理系っぽい数字ばっかりのを書いたから雑談風のものを書いてみたいかな。。。と思ってます。
理事長勉強会 RJC48に関心のある方は、こちらからどうぞ。。。
ま入ってみなければどんなものかはわかりませんから。
http://rjc48.com (RJC48への参加から)
よかったら、ぽちってください。別にやばいことは何もおこらなくって
マンション管理の人気ブログリストです
↓ ↓ ↓ ↓