その(2)の続き
路線図マップ。あるいは公開された情報
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/72PBR_shuto.pdf
を見ると、都心の駅なのに妙にPBRの低い駅が存在しているのも
気になるところ。
”外苑前”がトップなのが、2002年と不動産市況的には比較的割安な時期に
売られた、”青山・ザタワー”の一人勝ち”だけ”に牽引されて駅別の
ランキングトップに立っているんだとすると、逆に都心部で普通にはPBR
高めが推定されるところにぽつんと、低い例外点ができているところには、
逆に、販売時価格が非常に割高に販売された物件の影響があるのではないかと
いうのが気になります。
PBR下位に主として、京成沿線沿いのかなり遠い駅がずらっと並んでいるのは
判る。私鉄沿線は、一般に”時計廻りの法則”ってのがあって、東急東横線を
最上として、ぐるっと時計廻りに安くなっていくのが普通ですから、一番弱い
京成線沿線で、かつ遠い駅で勝田台あたりがPBR的には最弱ってのは理解できます。
(しかし10年経過しないで半値はすごいなぁ。。。千葉県はバブル期の物件で
90%以上目減りしているも珍しくはないですけど)
一方、70平米換算6000万以上の販売時価格でランクインしているのは、
赤坂見附と西永福が0.7倍程度。カンテイアイの雑誌の路線図上でほかに、
周囲前後の沿線の駅と比較して、大きく凹んで(小さく)でている駅には、
浜田山とか中井とかがあります。
ヲタクで、かつここ5年ほど市況を追っている人ならこの駅名を聞いて
あーあのマンション・・・と思いだすはずですね。
駅別に分けると、ここ10年のうちでどうしても2007年とかのプチバブル期に
”だけ”あるいは”集中して”分譲物件のでてた駅がどうしても弱くでている
のが気になるわけです。
例えば、『赤坂見附』。外苑前の例とは逆に、販売例がほとんど10年に
1箇所だけで、多分全部 パークコート赤坂ザタワーからでは? すると分母は
全数が2007-2008のプチバブル期の販売価格ですので、ざっくり20-25%くらいは
PBRが下にシフトしていそうです。
(ざっくりいって、2000年台前半はずっと安かったけど、わずか2年ほどの
間に3割ほどマンション価格は上昇して、その後1割ほど下がったけど
割と高止まりしているってのがここ10年の市況)
記憶にある限りでは、西永福・浜田山・中井あたりが全部2007年頃に
主に財閥系のデベが、新価格・新新価格とかで凄い値段つけをトライアルした
ところで、それで分母が上ブレしている気がします。
(浜田山では、パークシティ浜田山が坪400万コースで、まぁ新価格で
有名だったし、
ってまだ売ってる。。。
http://www.31sumai.com/mfr/A6020/?banner_id=g0216&cid=listing
確か同時期に、住友・三菱・東建あたりもそろい踏みで
堅気には買えんでしょうって値段だったのをよく記憶している)
まぁもっともこれいいだすと、駅ごとの平均築年数補正とかしなくちゃ
いけなくて機械的にかつ長期に渡って追っていかないから仕方のない部分も
あるとは思うんで、プロット側には異論はない。
(勝手に、自分の主張に都合の悪いデータ点を除去するようでは問題)
一方6000オーバー PBR低め解説で”エリアポテンシャル”を超えた値つけ
というのは、駅特有の現象なのではなくて
2007-2008年限定でその年だったからという要素がつよいデータ点が多く
含まれる気がして
分母となるものの築年度の特殊性に一言欲しい気もした。
まーカンテイアイを熟読する人はプロかヲタクでしょうから特殊な点をみたら、
あーあの物件のせいだろーなーってのが楽しみなんでしょうが。
変に平滑化の加工したら価値がなくなりますしね。
とか、@コメントを飛ばしたら、(青字部分、中山さん)
> ご指摘の通りです。10年平均でも供給偏差がありますからこのような結果に
> なります。毎年どの駅でも100戸ずつ分譲してくれると正確なデータが
> できるんですが
> これが供給偏差の典型ですね。理由がわかっていても事例数が多いので
>オミットできません。個別事情を汲んでいるとデータが公表できなくなります
>のでお許し下さい
>ミニバブル期の物件は確かに高額なのでPBRを悪くする要因の一つです。
>時期バイアスですね。ただし、毎年コンスタントに分譲されている駅は
>その影響がほとんど見られません
>このデータは毎年公表しているので、今後駅ごとのPBR推移を掲出することも
>考えています。そうするとPBRの変化で何がバイアスになっているかが自ずと
>明らかになります。
だそうで、作成している人は、当然ながらプロだから、特異点のでる理由も、
10年平均を”毎年”公表していくことに意味があることもわかっておられる。
(まぁマンション市況を語らせて彼以上の人間は存在しないから当たり前)
なので、それを読むデータの受け側にも、それなりの市況センスというか
読み解くリテラシーがいるなぁと。
重要なこと:
駅別程度まで、細かく細分化して集計を行うと、10年程度の平均で平滑化
した程度では、まだまだ”個別”に非常に安かったり、非常に高かったりして
販売されたただ一つのマンションが平均に及ぼす影響から逃れることはできない。
なので、駅ごとの数字だけみて一喜一憂するのではなくて、路線図全体で
プロットされたものを眺めて傾向を読み取るなどしないとそのまま駅ごと
のデータとして使うには危険が大きいように思える。
ーーー
まぁカンテイアイは、会員向けってことで受け取る人は基本的にプロだから
いいんでしょうけど、逆にエッセンスだけ表などででていると、
まるで、”赤坂見附”のマンションは買ってはいけないかのごとき印象を
もちかねないので注意が必要かなぁと。
---ミニバブルなどで大量に売れ残したような新新価格トライアル的
物件は、もう中古相場ではその分のプレミアムは消えた価格での取引が行われて
いるから、わずか数年で3割下がったといっても、これは無理して2年で何割も
上げた”プチバブル”の影響が消えただけで、”今後”も都心であるにも
関わらず、値下げが早い特異点として残るものでもなかろうということ。
もともとのレポートを引用しているほかのサイトでは、このあたりを咀嚼
しないで、そのままわーいランキングだぁーーって感じになっていくなぁ
という印象が強いんで、なおさら気になったな。
(個別のサイトの引用は避けますけども。。。)
よかったら、ぽちってください。別にやばいことは何もおこらなくって
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