金曜の夜の12時過ぎ、じいちゃんの病院から電話がありました。
「熱が出て、血圧が下がっています。先生のお話を聞きに、明日11時頃来れますか?」
と。もちろん「行きます」と言いました。
「急変した場合は、その前にまた連絡させて頂くと思います」
とも。スマホの音量を最大にし、床につきました。
そして昨日の土曜、緊張しつつ病院へ
先生はレントゲンを見せながら
「肺炎を起こしていました。老人はどうしてもなりやすいんですよね。両方の肺が白くなっていますので、年齢を考えると、回復は難しいのではないかと思うのです」
と。その場合、1週間以内位かな、と覚悟しておいて、とのこと。
「2月にここに転院されてから、頑張っておられたんですけどね」
と年配の、優しい先生。
そして看護師さんが、
「面会どうぞ。急変の可能性もありますから、会って行って下さい」
白衣やフェイスシールドをするでもなく、そのままの服装での面会です。
酸素マスクをして、意識がないような、あるような状態のじいちゃん。
点滴のお陰で、熱は下がっていました。
じいちゃん…と何度か呼び掛けていると
「ウウ…」
と小さな声がしたので
「トラコだよ、わかるよね。つらいよね。頑張ってよね」
と言い、顔を撫でて離れました。
そして急変時の連絡の約束をし、病院を出ました。
ついに、ついに…落ち着け…と思いながら、駅まで歩く
1月に急性期病院に入院してから、何度覚悟をしたことか。
なのにこの看取り病院に来てから2ヶ月間、とても落ち着いてくれていたので、覚悟の仕方を忘れてしまったよ。
何とも言えない気持ち。
そしていつもの橋から川を眺める。
前に見た、あの大きな鳥が、ただ1羽で立ち尽くし、全く動かない…。
もっとよく見たいと、場所を変えたりズームしたりしていて、ふと気付く
足元にバシャバシャと、黒い鯉がたくさんいる。
草の間からヒョッコリと、カモが出たり入ったりとせわしない。
小さな鳥も、ピーピー周りを飛びまわり…。
陽差しも温かく、風も穏やか。
なんだか急に、いい光景に見えてきた。
「不幸」というのは、ただ見落としている物が多い事を言うのかもしれませんね。
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