八海山スキー場遭難事故 生還 | 539のブログ【優しい空】

八海山スキー場遭難事故 生還

全国各地の皆様本当にありがとうございます。そして、ご心配お掛けして致しました。50時間以上の孤独に耐え兄が生還してくれました。本当にお騒がせ致しましたが生きて帰って来てくれたので多目に見て頂けたら幸いです。私には詳細を伝える義務があると思っておりますので書かせて頂いております。

2011年1月21日15:00頃
捜索をして頂いていた八海山スキー場から速報で「発見しました。生きてます」と頂き、同日16:15分頃兄と対面し、救急車に乗り込みました、救急車の中でも瀕死の状況ながら意識をしっかり保ち、救急隊員の方の質問に答えていました。

今、兄は無事病院のベッドで休んでおります。容態は左足の感覚がないくらいで、他に異常は見られないとのことです。

事故の詳細(本人談)
4人で滑走中、友人を追う形で滑っていたのですが、吹雪で数メートル先も見えなくなり必死で追っていたところ、気が付いた時にはコース外にいたようです。

コース外に出てしまった事に気が付いた兄はコースに戻る事を考えた様なのですが、果てしなく遠く見えた様で先に進んでしまったとのこと。(本人曰くこの判断が最大の失敗だったようです。)

先に進んでしまった兄は滝付近を何とか通り、川に落ちそうになったときに動くべきではないと考えたそうです。

近くに見えた目立つ木の下で根っこが見えるくらいまで雪をかき分けかまくらを作り、寒さと眠気をしのいでいたそうです。

そこから約50時間の間降ってきた雪をひとつまみずつ食べてしのいだとのこと。

一番厳しいのは孤独であったと話していました。食べ物・通信機器・タバコ等一切なく、腕時計もしない兄は感覚だけでどのくらい時間が経っているのか考えていたとのこと。

喫煙者なのですが、雪山には持って行かない様にしているので火もなく、圏外だった為携帯も持っていかずで、孤独との戦いは精神戦だったようでした。

19日の夜をしのげば、助けが来てくれると考えて頑張って耐えたのですが、20日の朝大雪で捜索が無いのではないか?と考えたり、色々な人に迷惑や心配を掛けすぎて生きて帰ってはいけないのではないか?でも家族がいるので諦められない!と言うように50時間の間孤独との精神戦を戦っていました。(目の前に幻覚は何回も見えていたようです、奥さんや子供達や携帯や友人等)

孤独に勝つことが出来たのは家族への愛と皆様の祈りと何よりも兄を最後まで信じて諦めずに探し続けてくれた捜索隊員の皆様と兄の友人達のおかげです。兄の代わりにお礼を言わせて頂きます。本当に本当にお騒がせ致しましたありがとうございます。

兄の同僚の皆様

元気になったらちゃんと出勤させますのでバリバリ仕事させてやって下さい。社長が飛んで来てくれて本当に感動致しました、ありがとうございます。兄は幸せだと思います。

六日町八海山スキー場の皆様

諦めずに探し続けてくれてありがとうございます。正に死ぬ気で探して頂けたおかげで兄は見つかりました。2日間もコースを閉鎖して頂けるとは思いませんでした。本当にお騒がせ致しましたありがとうございます。20日の捜索を報告して下さった時の隊長の涙は忘れられません。本当に本当にご迷惑お掛けして申し訳ありません。ありがとうございました。

駆け付けて頂いた友人の方々

事故を聞いて(一番遠くて北海道から)すぐに駆け付けて頂きありがとうございました。危険な中捜索を手伝いたいと名乗り出て頂いた時の感動は忘れられません。本当にありがとうございます。元気になったらぶん殴ってやって下さい。

ペンションわかい様

急な依頼の中、捜索本部の様に向かい入れてくれて本当にありがとうございます。暖かいご対応感謝しております。急な依頼なのに食事も完璧に作って頂きありがとうございました。美味しかったです。

全国の私の言葉をRTしてくれた皆様。

一人一人に返信したいところなのですが沢山過ぎるRTにより収集不可能な状況です。物凄く感謝しております。各著名人の方にまで働きかけをしてくれた皆様本当に誰に感謝すれば良いのかわかりませんが本当に本当にお騒がせ致しましたありがとうございました。皆様が祈ってくれたおかげで兄は帰って来れたのだと思います。感謝仕切れません。ありがとうございました。

私の同僚の皆様

迷わず「こっちは気にするな早く行け」と言ってくれてありがとうございました。祈りに捧げることができました。


家族

頭おかしくなりながら良く頑張ったね。気が狂いそうになりながら良く耐えた。

本当にお騒がせ致しましたありがとうございました。こういう場合の感謝はどのように伝えれば良いのかわかりませんが本当に本当に本当に本当に本当にありがとうございました。

父さんと八海山(日本酒)で祝杯をあげて眠ります。お休みなさい。

戸村勇揮