『うつ病は何故治りにくくなったのか』シリーズです。

前回は、
原因④ ココロの病気は全てうつ病であるような捕らわれから、
ボーダーライン、解離性障害、パニック障害などの別の病気のかたも、
うつ病を自称してしまう。
ことを取り上げましたが、
それは殆どが治療者の問題と言えると説明しました。


今回は、
原因⑤ 古くからのうつ病で間違いないが、
何度も再発してしまうタイプのうつ病が存在する。

を取り上げます。



☆うつ病の再発率はもの凄く高い

10ヶ月 40%
5年 41%~75%
10年 58%
15年 85%
25年 80%~88%

2004年のデータです。

これを見ると、
うつ病を生涯一度きり経験するかたはむしろ少数派で、
2度以上繰り返してしまうかたの方が多いことが分かります。


しかも、
うつ病は再発する回数が増えるほど、
再発率が高まってしまいます。

今までに1回うつ病になった人が
再発する率 50%
今までに2回うつ病になった人が
再発する率 75%
今までに3回以上うつ病になった人が
再発する率 90%


さて、
この結果を見ると、
なんだか絶望的な病気のように思えますね。
しかし、
それは違います。
シッカリと再発予防策が必要なだけなのです



☆何故、うつ病は再発してしまうのか

このブログを読んでいるかたは、
もう『内因』と言う考え方には慣れていますよね。

うつ病は単なるストレス病ではなくて、
遺伝や体質とストレスが重なって起こる病気です。

薬や休養で一旦治ったとしても、
体質までは治りませんから、
病前と同じように生活すれば、
またうつ病の逆戻りしてしまうのです。


うつ病の体質と言うのは、
『脳がストレスに反応しやすい』ことです。
(だからと言って、
弱いダメだってことではないです。)

ストレスに反応しやすいなりの生活をするべきなんです。
と言っても、
働くなとか冒険するなってことではありません。

ちゃんと自分を理解すれば、
健康なひと以上に健康に過ごすことが出来るのです。




☆正しいうつ病の再発防止策とは

それは2つの秘訣を守るだけです。
とは言っても、
この秘訣は実行するのは大変かもです。



1、抗うつ薬の継続

改善したうつ病が再燃しやすいのは、
良くなってから1~4か月の間といわれています。

うつ病は再発しやすいと知っていても、
殆どのかたが体調が良くなると服用を止めてしまいます。
そして、
アッサリと簡単に再発させてしまうのです。

体調が良くなり症状が止まった状態を
寛解
と言います。

この寛解の状態になっても、
そこから半年は継続して抗うつ薬を服用する必要があります。
それも減薬するのではなく、
治療中と同じ量を続ける必要があります。

(勿論、
これは抗うつ薬のお話ですから、
睡眠薬や抗不安薬は必ずしも含めません。
気分安定薬や抗精神病薬は含めると思って下さい。)

半年間は服用してみて、
それでも症状が止まった寛解の状態ならば、
そこで始めて減薬をして行くのです。

抗うつ薬は世間で言われるほどは毒ではないです。
依存性なんて全然大丈夫ですし、
副作用も後遺症が残るようなものは滅多にないです。
薬に頼ると言う感覚ではなく、
薬を使いこなす感覚が正しいのです。
そういう意味で薬は道具として使いこなす
そんな姿勢でいて下さい。

減薬を開始してみて、
症状がぶり返すようなら、
少し抗うつ薬を増やして(元に戻して)みたり、
微妙な調整をして行くことになります。

必要あらば抗うつ薬は一生涯飲んでいてもいいです。
再発するくらいなら、
服薬で済むのならそのほうが楽に暮らせます。



2、ストレスの対処法を覚える

認知行動療法などを受けることのメリットは、
ストレスを感じ難いココロを育てることです。

内因でストレスの反応が良い脳なので、
脳がストレスを感じないように生きれば良いのです。

『考え方を変える』
なんて言われると、
もの凄くハードルが高いもののように思えますよね。

でも、
そんなに難しいことは必要ないんです。

あなたがストレスを感じた時に取ってきた行動は、
あなたにとって都合が良い慣れ親しんだ方法ですよね。

この方法はそのままにしておきましょう。

その上で、
新しい方法を覚えて行くのです。

ストレスを感じた時に、
意識して新しい方法を試しながら、
自分なりの方法を見付けて行けばいいのです。

そこには一般論的な
『考え方を変える』と言う考え方はありません。

あなたらしさのままに、
新しい方法をプラスするのです。


それには自分に気が付くことが大切です。

自分のどの部分が、
自分自身を苦しめているのか。
それは人によって変わるものです。
そして、
案外、長所の裏返しだったりします。

その長所は残しながらも、
自分を苦しめない思考や行動を覚えて行くのです。

自分に気付いて行く能力は『セルフモニタリング』と言いますが、
殆どのかたは自分では出来ないと思います。

こんな時はカウンセラーと言うその道のプロがいますから、
カウンセラーにガイドして貰いながら、
自分なりの方法を構築して行けばいいのです。


他にも、
ストレスを解消する方法はあります。
悪いストレス解消を止めて行くことが必要ですが、

(悪いストレス解消方法とは、
リスカ、アムカ、暴言、過食、ギャンブル、恋愛依存、
アルコール、薬物、大量服薬など。)

その方法は割りと簡単なものです。

音楽を聴く、良く眠る、綺麗なものを愛でる、
温泉、エステ、マッサージ、趣味。

それから、
多少は専門的ですが、
アロマテラピー、フォーカシング、自律訓練法、呼吸法なども、
非常に有効なものです。



これら2つを上手に使いこなして行けば、
うつ病の再発は抑えることが出来ます。
もし、
再発してしまっても軽い状態で済ませることが出来ます。

うつ病は、
内因からの病気ですから、
当然、生涯に渡ってこれらのことを実行するべきです。

再発しやすいのは、
言い換えれば完全に治らないのだとも言えます。
(一方で、
稀に何もしないでも再発しないケースもありますが。)

完全には治らない。
これも言い換えれば完治しないことになりますが、
きちんと再発を防止すれば怖くはないのです。

そして寛解の状態を長くキープすること。
それがうつ病の正しい治療目標なのです。



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