前回のエントリでは【気分障害】は、
古典的な躁鬱病
古典的なうつ病
の二つだけではなく、
【双極性スペクトラム】
という第3の病気が存在するとお話ししました。


参考→第3のうつ病!?


うーん。
しかし、この説明は正確ではないのです。
古典的な躁鬱病は双極性障害ですよね。
双極性スペクトラムにも、
【双極Ⅰ型】という分類があり、
これが従来からの古典的な躁鬱病にあたります。

そう考えると、
○程度は様々だが、躁とうつの波を繰り返す病気
(双極性スペクトラム)

○うつの波を繰り返す病気
(うつ病)
この2つを合わせて【気分障害】だと言い直したほうがいいでしょう。



さて、
問題は双極Ⅱ型や双極Ⅲ型なのです。

双極Ⅱの躁状態は非常に軽いもので、
患者さんの自覚がない程度のものです。
当然自覚がないので、
躁について主治医に報告することは稀になります。
主治医もまさか躁があるとは思わずに、
通常のうつ病として治療をしてしまうことになります。

双極Ⅲの場合も微妙です。
これは抗うつ薬によって元気になり過ぎてしまうのです。
抗うつ薬が効き過ぎる体質なのです。
当然のことながら患者さんは、
『薬が効いた元気になった。』
と喜んで、
躁状態になったと考えないでしょう。
この場合も医師なら気が付きそうですが、
現実には見分けが付かないことも多いのです。


本来のうつ病というものは、
【気分の波】があると言っても、
健常レベルを超えるほど元気にはなりません。

ここで先日の【気分の波】の図をもう一度見てみましょう。


$心理カウンセラーのブログ-気分の波モデル図
(クリックすると拡大されます。)


幾らうつ病が【気分の波】の病気と行っても、
その波はうつ状態のほうに顕著で、
元気な波が来たとしてもまだまだ低めなものです。

また、
抗うつ薬も良く効くかたが多いのは確かですが、
躁と呼べるレベルにまで元気にはならないのがうつ病です。

ですから、
ハッキリとうつ病と双極Ⅱ型や双極Ⅲ型は、
治療方法を分けて考えないとダメと言うことになります。

と言うか、
治療になりません。


次回は双極Ⅱ型のセルフチェックを用意します。
これで双極Ⅱ型の疑いが出たかたは、
【双極性スペクトラム】として治療する必要があると思います。


【双極性スペクトラム】として治療。
つまり、
抗うつ薬メインではなく、
気分安定薬やその代わりになる薬の使用です。



気分安定薬
リーマス(炭酸リチウム、リチオマール)
デパケン(バレリンなど)
テグレトール(カルバマゼピンなど)
リボトリール(ランドセンなど)

気分安定薬の代わりになる薬
セロクエル
ジプレキサ
エビリファイ
リスパダール
ルーラン
ロナセン
などなど。。。


【双極性スペクトラム】は、
これらの薬をメインとして治療されるべきです。
(場合によっては抗うつ薬と気分安定薬を併用してもいい。)

何故なら、
上記したように、
【双極性スペクトラム】の躁を抗うつ薬が煽ってしまうからです。



次回は双極性スペクトラムをご自身でチェック出来るように、
セルフチェックの表を用意致します。

その後は、
私の専門分野から、
心理的に【気分の波】をコントロールする方法をご紹介します。



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