先日、【自我同一性拡散】についてお話ししました。
参考→悩み苦しみやすいかた達へ


【自我同一性拡散】という言葉を見ても分かるのですが、
自我が拡散して広がり薄まって、
自分が自分であると感じられなくなる。
これが【自我同一性拡散】と言えます。

これと同じように自我が広がってしまうのですが、
広がり薄まる状態ではなく、
肥大化して自我が大きくなってしまう状態があります。

最も極端な例では【自己愛性人格障害】と呼ばれる、
半ば病気の一種に近づくこともあります。

ここまで極端でなくても、

☆他人を思いやれないかた
☆自分のやり方を無理矢理押し通すかた
☆自分が一番という態度をとるかた
(結果としてご本人が生き苦しんでいる。)

など、
いわゆる自己中心的な人柄のかたは、
自我が肥大化しているんですね。


人間は誰しもピンチになると、
自分を守ろう守ろうとするものです。
結果として、
ピンチの原因を自分ではなく他人に求めるようになります。
【他罰】という状態です。


【他罰】と言うと、
如何にも性格が悪そうに思えますが、
実は
ピンチに立たされたら誰しも陥りやすいこと
なんです。
そもそも【他罰】というのは、
うつ病の【自虐】的な思考に対しての言葉で、
うつ病の【自虐】のほうがむしろ特殊な状態なんです。
自然に考えたら、
自分を守るために(意識的、無意識に関わらず)他人のせいにするのは、
人間共通の弱点だと言えるのです。


人間共通の【他罰】も、
ご本人が理解して行動しているならそれほど問題はないです。

問題あるケースは、
ご本人が自分は絶対正しいと頑なに思い込む場合です。
周りも迷惑でしょうし、
何よりご本人も強い生き辛さを感じるようになります。

一時的で済めば問題がないのですが、
自己中心的な行動がご本人の深いところまで入り込んでしまうと、
非常に問題がある状態になって行きます。

何故なら、
日常生活自体がストレスになってしまうからです。
自分を守ろう守ろうとするあまりに、
強く慢性的なストレスを感じて生活をするようになります。
そして、その強く慢性的なストレスが、
ご本人の体を痛めつけてしまうのです。

メンタルの病気ではストレスは切っても切れない関係にあるので、
カウンセリングに訪れるクライアントさんでは、
この自己中心的な苦しみを抱えておられるかたがいます。


カウンセラーとしてはなかなか難しいケースなんです。
何故かと言うと、
無意識に自分を守ろうとしてしまうので、
自己中心的だとクライアントさんも認めないのです。
なかなか対話が深まらず、
苦慮することが多いものなんですね。



しかし、自己中心的な思考は、
ご本人に気が付いて貰わないと改善して行くことがありません。
逆に言うと、
ご本人が自分を守ろう守ろうとしていることに気が付くと、
一気に病気が良くなって行きます。
日常生活の慢性的なストレスから開放されるからですね。


人なら誰でも、
自分を守ろうと思えば、
城壁を高くして、堀を深くして、武器を用意して戦う準備をしてしまいます。
しかし、これは自分を自分で苦しめてしまうのです。
何故なら、
自分の周りの壁を高くしてしまうことは、
周りのかたとの意思の疎通を拒むことになるからです。


一人で生活しているならこれでも問題はないのですが、
人間は一人では生きることが出来ません。

「いや。俺は一人で生きている。」

と反論されるかたもいますが、
実際に一人で生きようと思えば、
生きることなんて出来ないのです。

例えば、
今このブログを表示しているパソコンも携帯電話も、
あなたが発明したわけではないですよね。

人間は自分一人で出来ることは非常に限られます。
その限られた能力をみんなで補うことが、
我々が社会に属する意義なんです。

絶対に一人では生きられません。
ですから、
自分の周りの壁を高くして他人を拒んでしまうと、
社会性という大切な財産を失います。

今よりもっともっと生き辛くなります。

ですから、
どうか自分を守ろう守ろうとしないで下さい。
お金や家族など最低限は守るとしても、
それ以上に守ってしまうことはないんです。

自分の周りの城壁を崩してみて下さい。
周りの人たちを拒まないで下さい。

それが生き易くなる秘訣の一つですよ合格



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