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広島・福山市のヨガ・ピラティスインストラクター、理学療法士のだいすけです。


ピラティスの解剖学的な勉強をしていくと必ずといっていいほどでてくる「前鋸筋」


少しだけ前鋸筋の解剖について。


前鋸筋の解剖
筋の始起・停止・作用・支配神経
始起:第1〜8肋骨前外側面 

停止:肩甲骨の上角(上部筋束の付着)〜内側縁(中部筋束の付着)〜下角(下部筋束の付着)
上角に着く上部は発達が良く分厚い。内側縁に着く中部は発達が貧弱で薄い。下角に着く下部は発達が最も良い。
肩甲挙筋、菱形筋とは連結がみられる。


作用:肩甲骨の外転・上方回旋 
前鋸筋は3つの束に分割できる。
上部筋束は肩甲骨挙上時の回旋中心を形成。中部筋束は肩甲骨を外転させる。下部筋束は下角を外転・上方回旋・後方傾斜させる。
爬虫類、鳥類、コウモリやハリネズミは中部筋束は存在せず、上部と下部のみである。
支配神経:長胸神経(第5頸髄神経・第6頸髄神経・第7頸髄神経)
 
長胸神経の筋内侵入は始起側の約1/3の部位である。侵入後は停止部に向かって走行していく。 
長胸神経の枝は下部が最も多い。
また、下部には肋間神経の枝も分布している。


前鋸筋は上肢を使う時に肩の安定性に非常に関与してくる他、ヒトが二足歩行する時の力源を作る筋として使われるので重要な筋になります。
胸椎の動きも肩甲骨の動きに追随して起こってきますので、胸椎との関係性も重要なポイントです。


線維をしっかり見極めてアプローチすることも大切だと思います。


また、肋骨と肩甲骨についている筋肉なので、呼吸とも関わってきます。

【まとめ】
①前鋸筋は肋骨と肩甲骨についている。そのため呼吸・肩甲骨の動きや安定化との関係性が深い。

②前鋸筋は歩行時の力源をつくる。


【参考文献・参考研究】 
五十嵐 絵美 他:前鋸筋の機能解剖学的研究.理学療法学.2007.

士岐 彰太 他 :前鋸筋およびその関連筋の比較解剖学的研究-ニホンザルとヒト-.卒業研究論文集.2012.


最後までお読み頂きありがとうございます。
下記よりエクササイズ動画もみることができます。

動画でのロールダウン・ロールアップは前鋸筋をコントロールして胸椎の後弯を強め、さらに腹斜筋との連結を利用して脊柱をコントロールしていきます。


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