静謐なる室内 -ヴィルヘルム・ハンマースホイ展- | インディペンデントで行ってみよう!

静謐なる室内 -ヴィルヘルム・ハンマースホイ展-


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「背を向けた若い女性のいる室内」1904




国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」 を見に行きました。


休館明けのせいでしょうか


平日にもかかわらず、かなりの混みようでした。


聞けば日本は美術展の観客動員数では世界で一二を争うと言います。


あまり身近に美術的な話が出来る人はいないのですが


美術を愛する裾野は意外と広いのかもしれません。



ヴィルヘルム・ハンマースホイはデンマークの19世紀の画家で


生前は高い評価を受けたものの


没後は忘れられていた存在で


日本国内で大規模な回顧展はこれが初めてとのことです。


私もこの機会に知りました。




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「居間に射す陽光Ⅲ」1903



画風はご覧の通り


非常に静謐な詩情をたたえたものです。


作品を年代で追うと


風景画や人物画の時代もありますが


やはり背を向けた女性がたたずむ室内の絵にもっとも惹かれます。


今の私の心情とどう共鳴したのかはわかりませんが


足を運んでよかったと思う絵でした。



私が一番気に入ったのはこの絵です。



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「室内、ストランゲーゼ30番地」1901



企画展の「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」とは別に


常設の西洋美術も同時に鑑賞しました。


時系列で見て初めて


モネの革新性を知りました。


西洋美術史の中で突然違う絵が現れたという感です。


一人の画家の画業を総括的に見ると


個人の年代史に限定されますが


美術の歴史を追って見ると


特定の画家の歴史的意味合いを発見して


これはこれで興味深いものですね。




平日に美術展に行く幸福


このまま独立を軌道に乗せて


私としては“高等遊民”のような後半生を送れたらなと思います。



※高等遊民とは、夏目漱石の造語で日本の近代において、


  高等教育を受けながら労働に従事せず読書などをして過ごした人。



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