1993年製マランツのライントランスLT-1FB(当時の定価85.000円)をYahooオークションで1/5位の値段で落札。
早速、真空管DACと真空管アンプ間に入れて使ってみた。
カタログでは
「デジタル処理を行うオーディオ機器の内部では、A/D、D/A変換時をはじめ、様々な部分で高周波ノイズが発生しています。
LT-1では、これらのノイズをトランスによって遮断し、純粋な音楽信号のみを伝送可能としています。」
と記されている。
トランスとは音声信号を一度コイルで磁気に変換、断線した空間を超えてコイルに伝え、また電気信号に変換するという極めてアナログなパーツ。 僕のオーディオ信条からすると、不要な接点や回路が増えるのは音が悪くなる原因。また、トランスでフィルターがかかりレンジが狭くなり音の鮮度も解像度も低下するはず。とデメリットばかり目についたので今までは完全に聴かず嫌いでした。
なぜ今回ヤフオクで落札したかというと、レコーディングエンジニアにはVo録りの際、このDLT-1を隠し味的エフェクターとして多用する人もいるくらい味付けが濃いそうで、一度試しても面白いかなと思ったのでね。
まぁ値段が安買ったので、これでいい方に変わってくれたらいいかなとい軽い気持ちでした。
トランスを通した音は実際に聴いたことがなかったので、久々にとても面白い音出しになりました。
まず一聴して中域・低域にグンと重厚感が増し、押し出し感も強くなりました。
暴れの少ないローエンドになって独特の粘り感があり音場感に落ち着きが出たように思います。
特に(好きな楽器)ベースの音はボヤけず緩まず、ドラムも同じように太さと重量感が出ました。
全体的に音が太く・厚く、密度がアップして重心が下がったような感じ。
ただ、当然ですが全体のレンジはナローになった気がします。
それにしてもオーディオで一番難しい中域の充実感がいい感じです。ボーカル、ギターやピアノ、サックスなどメロディー楽器がグッと前に出てきました。
スピーカーのアッテネーターは同じ位置なのに聴こえ方が一変しました。また再調整ですね。
これは一度使い出すと手放せなくなりそうなくらい好きな音の方向に変わってくれました。