境界線と依存心 | きららの心理

きららの心理

アダルトチルドレン専門カウンセラー
心の在り方について綴っています

自分と他人との距離感が分からないとか
親密になりたいけれど、もう一方で親密になるのが怖いと感じている
そういう感覚を持ったことがあるとしたら
他人との境界線を引くことが出来なかったり、依存心が強いかも知れません。

例えば
彼とドライブに行ったとします。
そこで渋滞に遭ってしまいました。
彼はなかなか車が動かないので、だんだんとイライラとして来ました。
そんな時、あなたはどう感じますか?
自分が彼のイライラをどうにかしなければいけないような気がしたり、
どうしたら彼がイライラしなくて済むだろうとか
彼のイライラに気を揉んでしまいますか?

こういう気持ちが起こるのなら
境界線を引くことが出来ていない状態と言えます。

これは相手の感情に自分が責任を感じているということなのです。

渋滞でイライラしているのは彼の感情で、あなたとは関係のない感情です。
イライラの原因は渋滞であり、それに対応している彼自身の感情なので
あなたがどうにかしようとすることは出来ません。
彼の感情の責任は彼が取るのです。

彼の感情に介入してどうにかしようと思うのは
彼と自分の感情に境界線を引くことが出来ないからなのです。

境界線を引けないということは
人を信頼することが出来ないのであり、
それは自分を信頼していないということになります。

境界線を引くというのは
相手の感情と自分の感情を区別するということです。

「境界線」 と言うと何か相手との間に壁を作るようなイメージを持つかも知れませんが、そうではありません。
居心地の良いと感じる距離間であり、相手とのバランスを保つことです。

例えば、
友達でも彼とでも長い時間を一緒に居ると、会話が途切れることもあります。
沈黙の時間が長いと、あなたはどう感じますか?
何か話さないといけないかなとか
どうして彼(彼女)は黙っているのだろうとか
そんな風に感じてしまいますか?

彼の顔色ばかりをうかがってしまう
必要以上に気を使ってしまう
嫌われないように振る舞おうとする

こういう思いが強い人は沈黙に耐えられない人です。
これは、依存心が強い人と言えます。

依存心は相手に不満や要求が多くなります。
その為、相手を疲れさせてしまいます。
「私を愛しているなら~してくれるはず」 と無理な要求を相手にし続けてしまうからです。
依存と愛を混同しているのです。

依存心が強いと
相手が自分を必要と思ってくれることばかりを望みます。
いつも好きでいて欲しい
いつも満足させてもらいたい
いつも連絡が欲しい
いつも気にかけて欲しい
こんな風に いつも という思いがあります。
その思いを手に入れたいが為に、相手次第で自分を変えようとしてしまいます。
自分の望みを相手に満たしてもらおうとすると
例えば、逢う約束をしたその日に急に仕事が入ったなどとキャンセルされると
自分よりも仕事が大事なの?
私のことはどうでもいいの?
といった不満と不安が出て来てしまうのです。

自分主体ではなく、相手主体にいつも考えてしまいます。

相手のありのままを受け入れているのではなく
自分の望んでいる相手の姿を要求するか
彼の望むままの自分でいようとします。
なので、本来のありのままの自分が分からなくなったり、ありのままの自分でいられなくなります。

相手をありのまま受け入れていないということは
自分をありのままでOKという思いを持てないということなのです。

ありのままの自分に無価値感を持っていると依存心は強くなります。
他人との境界線を引けない人は依存心が強い人でもあります。

「依存心」 は誰でも持っています。
それは頼るということではなく、「甘え」 の感情です。
甘えることは、悪いことではありません。
ただ、それが強いとお互いに良い関係が作りづらくなります。
そして、依存心は執着という思いも生み出します。

相手は相手の思いや考えや、行動、感覚があります。
それは自分と違って当然です。
その違いを尊重することがお互いに対等でいられる関係です。

心が苦しくなるなら、それはどこかに原因があります。
何かが間違っている可能性があります。
苦しいのはそれを教えてくれるサインです。

今までと同じ考え、思い、行動をするなら
今までと同じ結果がついて来るだけになります。

もし、サインに気づいたなら、何かを変える時なのかも知れません。