つづき。



2015年4月上旬。
総合病院へ移ることのなったおても。
やはり、大きい病院なだけあってめちゃめちゃ混んでいる。
長らく待って、名前を呼ばれて診察室へ。


あら、先生かっこいい…ラブ


目がきれいな、若いお医者さんでした。
前にベトナム人の占い師に、あなたはgood lookingな医者と結婚するわよ。
2015年の夏から交際が始まるわと言われたことがあるわたし。

ちょっぴりテンションup!お願いキラキラ

(このときは不安な気持ちはあったものの、わたしが病気なわけない、という気持ちの方が強かったのです。)


先生『(紹介状を見ながら)左鎖骨上にしこりがあるんですね。寝汗はかきますか?』

おても『いいえ。』(「この人が運命のひとかしら…ラブラブラブ」)

先生『体重は減ってないですか?』

おても『いいえ、全く。』(「むしろ増えているのよ、お医者様。恥ずかしいわ…ラブラブラブ」)

先生『しこりを触らせて下さい。』


近くてどきどき。
そして、気づいてしまった。
彼の左手の薬指に、きらきらするものを。



結婚してるんかーーーーーい!!!



テンションがたおち。

それから、
最近海外に行かれましたか?
(→半年前に、アメリカへ。)

目がちかちかすることはありますか?
(→なし。)

むくみはないですか?
(→なし。)

などなど問診が続き、
先生がなにやらさらさらっと紙に書き、
『いま考えられるのはこれですね。』
とわたしにみせてくれました。


そこに書かれていたのがこちら。↓

・悪性リンパ腫
・他のガンのリンパ節への転移
・サルコイドーシス
・SLE(膠原病)
・ばい菌が入ったことによるリンパの腫れ

(今手元にその紙が無い為、細かい書き方は少し異なるところもあるかもしれませんが、
それぞれの病名は確かです。)

『SLEは若い女性に多いです。
サルコイドーシスは、なぜか北海道の人に多いんですよね。
SLEとサルコイドーシスは難病ですが、薬で症状は抑えられます。
ガンの転移はおてもさんの場合は考えにくいとして、一番最悪なのは悪性リンパ腫ですね。
治療は長くかかりますし…。』
と、イケメン先生。
聞くところ、一年前に出来てすぐ消えた股関節のところのしこりはあまり気にしなくて良いけれど、左鎖骨上のしこりは位置的にあまりよろしくないそうです。
 
難病。悪性リンパ腫。


不安が顔に出ていたと思います。
『まあ、たいていの場合はばい菌によるリンパの腫れですよ。』
と慰めてくれました。

『CTを撮って、他にリンパの腫大がないか確認してみましょう。
次は、●日、来られますか?』
とイケメン先生に言われましたが、その日は仕事の日でした。
(わたしは不定休の仕事をしています。)

イケメン先生はその病院に毎週火曜日しかいないらしく、
わたしは4月中のすべての火曜日は仕事でした。
イケメン先生は『次も自分が診たいんですよね』といっていて、
(この責任感。医者としてもイケメン)
『5月でもいいと思いますよ。ちょっと様子見るのもいいかもしれません。症状もないようですし。』
と言っていましたが、
このときのわたしはお医者さんから初めて直にガンの可能性が無きにしも非ずだと言われて怖くなり、
早くしこりの原因が知りたい!!の一心だったので、
その旨伝えました。

そして10日後の金曜日、仕事が午後からだったので午前中に別の先生からCTの結果を聞くことになりました。
『次の先生は優秀で、信頼できる先生だと私は思ってますから。
ちゃんと引き継いでおきますからね。』
とイケメン先生。

次のわたしの予約をとるときもすごく真剣にどの先生に診てもらうのがいいか考えてくれていて、
あぁ、大きい病院の中で先生同士の中でも「あの先生はデキる、デキない」って思われてるんだなって思いましたね。笑

そしてCTを撮ったり血液取ったりなんなりしたら夕方に。
せっかく有給使って3連休にしたのに、
病院で一日使っちゃいました。
CT高かったし、はぁーあ。
でも先生カッコよかったな。
いいなー奥さん。羨ましい。
しかしガンは絶対いやだなー。
などいろいろもんもんと考えながら家に帰りました。


このとき、不安60%、んなわけない感40%。



それから10日後。4月中旬。
CTの結果を聞きに、また総合病院へ。
色白で細くて、これまた若い先生でした。
クラスで「はかせくん」とか呼ばれてそうな感じ。

診察室に入ったらすぐそのはかせ先生が言いました。

『ご家族の方はご一緒ですか?』

…え?

それ、ドラマとかでよくあるやつじゃん。
どきっとする。
一人できました、と答えました。

それから、
『寝汗かいてませんか?』
『体重減っていませんか?』
『目に変な感じありませんか?』
と聞いてきました。

わたしはしこりがある、くらいで他の症状が全くないので、
全部否定。
はかせ先生が厳しい面持ちだったので、
え、なになになにこわいこわいこわい
と心の中で叫びました。



『左胸のところにもしこりがあるようなんです。』



頭が真っ白になりました。

今思えば、ぶっちゃけ悪性リンパ腫と告知されるときより
びっくりしました。
胸にまでしこりがあるなんて、ぜんぜん思ってなかったので、
心の準備が出来てなかったので。

『なんらかの病気であることは確かです。
可能性が高いのは、サルコイドーシスか、悪性リンパ腫でしょう。
これは実際にしこりを取って調べてみないとわかりません。』
とはかせ先生。

当病院は手術中の痛みを考慮して全身麻酔で生検を行うとのことだったので、
2泊3日の入院となるとのこと。

最初はしっかり話聞かなきゃ、
まだ泣いちゃだめだ、
と自分に言い聞かせていましたが、
胸にもしこりがあって、病気なんだという現実が怖くて怖くて涙がぶわっとでて止まらくなってしまいました。

看護師さんに、背中をさすられ、
『これから元気に生きるための、手術なんだからね。』
と慰められ、
『ひっく、ひっく…ふぁい。』
と頼りない返事をし、顔をあげてその看護師さんを見ると、
看護師さんの目が涙でいっぱいで、
それをみてまたなんか泣いちゃいました。

病院のあと、仕事に行かなければならなかったけど、
これから全身麻酔をする為の検査がいろいろあるとのことで
仕事の時間に間に合わなくなってしまいました。

会社に遅れるって言わなきゃ、と思い電話をしましたが、
マネージャーに話している途中でまたも号泣。
むせび泣きながら話してしまった。
振り返るとすごい恥ずかしい。

マネージャーも理解してくれて、
今日は仕事来なくていいよ。心を休めて。と言ってくれました。

ありがとうございます。
すみません。

検査や入院の案内などを聞き、
家に帰ってきて、
人知れずわんわん泣きました。

泣き疲れたころ、
親にも言わなきゃ。言うのつらいな、と考えていたとき、
ちょうど母から
「しこりどうだった?」
とメールが。
電話で、すべて伝えました。

お母さん、悲しむだろうなと心配していたけど、
母は強かった。

『そっか。今日はつらかったね。びっくりしたよね。
でもきっと大丈夫だよ。』
と言ってくれました。


大丈夫。


根拠がなくても、そう言ってくれるだけですこし心が救われました。


その後仕事で絶対休めない教育週間があったので、
それを避けたり病院側の都合もあったりして、
生検手術の入院は4月下旬となりました。


入院までの間、
ネットでサルコイドーシスと悪性リンパ腫について調べに調べ、泣き、

私の鎖骨上にたしかにあるしこりを触って不安になり、泣きました。


このとき、
不安95%、んなわけない感5%。



つづく。




おてもokame