コガミには、この少女のほうが神のように思えた。
「うん。私はチリ。コガミ様もみんなと同じようにチィ姉ちゃんって呼んでください」
チリはあえて初めて会うかのように言うとコガミに明るく微笑んだ。
「わ、わかった…」
コガミはなんとか返事をしたが、緊張で口の中が乾ききってそれ以上の言葉は出てこなかった。
チリがコガミに歩み寄ると、クズキは我慢できずに喚き出した。
「チィ姉ちゃん!ホントにそいつ仲間に入れるのかよ?」
しかし、クズキの不満とは裏腹に、他の小さな子供たちもコガミに好奇の視線を向けている。
「クズキはうるさいなぁ。見てごらんよ。みんなコガミ様と遊びたそうでしょ」
「でもぉ…」
チリはクズキのことなどお構いなしにコガミの顔を覗きこんだ。
「あのね、今日はみんなでタルタル草を探そうって言ってたの。たくさん集めて持って帰ったら、きっとシイナさんもマモリビさんも喜ぶと思うよ」
「んと…タルタル草って何…?」
「タルタル草知らないとか、終わってると思いまーす」
コガミの反応にすかさずクズキが横槍を入れる。
チリは叱り疲れながらももう一度クズキをたしなめた。
「クズキは黙ってて。コガミ様がタルタル草を知らないのは、いつも私たちが仲間はずれにしてたからでしょ?」
何度もチリがコガミをかばうので、すっかりクズキは拗ねてそっぽを向いてしまった。
チリは構わず話を進める。
「コガミ様、タルタル草はタル茶の原料のなる草ですよ」
「タル茶…?お母さんとマモリビさんがいつも飲んでるやつ…あ、あとガヤさんも!」
「そう。たくさん集めて、おみやげに持って帰りましょうよ」
「おみやげ…お母さんに…」
コガミはシイナの喜ぶ顔を思い浮かべて胸を弾ませた。
そのとき、他の子供たちが来る前にまコガミをからかった草の声がコガミの耳に届いた。
『おい、コガミ!見せ場だな。手を貸してやるぞ!』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
飲みすぎでお腹痛いので今日はもう退散します…。
まぁ飲みすぎっていっても牛乳なんですけどね…w