CO2拡散装置、色々考慮して自作するお! | とある獣医の豪州生活(オージーライフ)

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オーストラリア在住の獣医学生であるAKIが熱帯魚の飼育日記をはじめ、
ワンコ、麻雀、アニメ、日々の生活などなど・・・
日本とは少し違った世界観をUPするブログです。

※コメントしていただくと、ブログ主が泣いて喜びます。

やぁ(´・ω・`)
今日はちょっくらでっかい記事を投下するよ。
大学が始まる前にこーゆーことしておかないと、こっから先はしばらく忙しいかんなwww




今回、玄関前においてある水槽内に結構な数の水草を導入したんで、
せっかくだから二酸化炭素を強制追加してあげようと思ったんだ。


水槽内の成体はレッドチェリーさんで、夜になるとエビが酸欠になるからCO2は止めろ的なこと書いてあるけど、
その辺はまぁ気にしない方向で行こうと思うよw
レッドチェリーさんなんてミナミヌマエビの亜種、なんとかなるもんでしょw


あ、ちなみにこの「CO2追加で酸欠になる」ってのを信じていない人って結構いるけど、本当です。
CO2足してるだけだから酸素と関係なく思えちゃうだろうけどね、
CO2を強制追加することで水中でのCO2の量が増えると、反比例してかわりに若干溶存酸素量が減るはず。
だから「CO2を足すと酸素が減る」という言い方はあながち間違いではないんだ。

ただCO2を足すこと自体でエビが酸欠になるってのはそうそうあるわけじゃなくて、
問題はCO2ではなくて水草のほうだと自分は考えている。
こうしたCO2の強制追加によるエビの酸欠ってのは夜に起きるわけなんだけど、
これはCO2を足し始めたことによって大量の元気な水草が増え、水中の酸素を全部奪われるからだと思うよ。

「植物は二酸化炭素を吸って酸素を吐き出しながら育つ」

小学校の理科でこう習うわけだけど、実はこれは間違っていて、
植物ってのは「二酸化炭素を光合成に使い酸素を吐き、酸素を使って生きている」のだよw
植物だって生物なわけで、細胞にミトコンドリアを持ち、酸素を使ってエネルギーを作ってる。
昼間はそれに加えて葉緑体が二酸化炭素を酸素に変えつつ光合成をして栄養を得ているわけで、
その光合成により生まれる酸素量が、身体で使われる酸素量より少ないから、
結果的に見れば二酸化炭素を吸って、酸素を吐いているようになるのだ。

が、これは光合成をしている間の話であって、
つまり太陽光の無い夜には光合成は行われず、それでも生きているので酸素を吸い続けているわけだ。

CO2を追加しはじめたらエビが酸欠になった、なんていうのはCO2のせいではなく、
CO2の追加によって活発になり、同時に繁殖しまくった水草が夜に酸素を奪っているため。
だから、水草の数なんかをコントロールすればCO2追加は全然エビに影響を与えないのだ。
いやまぁ、CO2追加でpHが酸性に傾いたりもするけど、その辺は追求したら負けだ(キリッ





話が逸れたZE(; ・`д・´)




とにもかくにも、CO2の追加しようよ、CO2!
CO2の追加といっても、別に本格的な水草水槽を作っているわけじゃありませぬ。

しかもここはオーストラリア。アクアリストの人口は日本のそれよりもかなり少ないです。
これはつまりアクアリウムの器具なんかの値段はめっちゃ高いことを意味し、
同時に特殊な部品はそもそも海外から買い付けないと手に入らないような世界ですw

これは水草水槽用のCO2ボンベにも言えることで、
つまり、ボンベなど売っているとこはほとんどありませんし、あっても高すぎて手が出ませぬ。



とある獣医の豪州生活(オージーライフ)-イースト発酵式二酸化炭素供給

だから、自分は発酵式オンリーでありますw
なんちゃって水草だからコレでも十分役に立ちます(`・ω・´)

発酵式二酸化炭素を知らない人はググって見れば作り方はいくらでも出てきますけど、
簡単に言うとパンを焼くときなんかに使うドライイーストの力を借りてCO2を作る装置ですね。

コーラなんかの炭酸飲料のペットボトル8分目ぐらいまで水を入れて、
そこに砂糖をぶち込みます。80gぐらいでとりあえずいいです。

オーストラリアは砂糖が安いから嬉しいよねっ!

あとはこのボトルにイーストをティースプーンに半分ぐらい入れて、
しばらく放置しておけばブクブクと気泡が出てきます。
エアチューブを通せるように加工したキャップをして、あとはこのチューブを拡散器に設置すれば完成。

原理としては、砂糖に含まれるブドウ糖(Glucose)をイーストが分解してエタノールに変える過程で、
副産物として出る二酸化炭素を頂いているわけですね。
化学式にして考えると、
 C6H12O6  →    2C2H5OH   +  2CO2        
(ブドウ糖) →  2×エタノール  +  2×二酸化炭素

反応物1モルから生成物4モルになるので、圧力が増して二酸化炭素を押し出してくれます。

しばらく日にちが経つと砂糖を使い切ったりアルコール濃度が高くなってきたりでイースト死んじゃうんで、
新しく砂糖と水を混ぜたボトルを用意して切り替えましょう。
砂糖とゼラチンを混ぜてゼリー状にしておくと長持ちしたりもします。

ちなみにイーストが死んだあとの残り汁は砂糖と水とエタノールです。
エタノールは人体に影響を及ぼさないアルコールなんで飲もうと思えば酒のように飲めますwww
が、絶対に飲まないでね?自己責任とかじゃなくてとりあえず止めておこうw
まずそうだし、イースト混ざってるし( 'A`)






(; ・`д・´)あれ・・・また話が逸れちまったぞ・・・




そうじゃなくてCO2の拡散についての話ですよ!
CO2を作るところまでは簡単なんです。砂糖とイーストなんで台所にありますから。
で、この出来上がったCO2をどうやって水槽に追加するのか、それが問題なんです。

簡単に言うとCO2を水中でブクブクやれば水中に溶解します。物理溶解ってやつです。
でもじゃぁエアチューブを直接水槽内に入れてブクブクしても、ほとんどのCO2は泡のまま水面に達し、
そのまま空気中にリリースでさようならです。地球温暖化を進めるだけになります。
つまり、ブクブクやればCO2は溶けるわけなんですけど、
いかに効率よく溶かすか、これが大事になってきますねっ!

CO2拡散装置は色々なものが販売されていますし、自作している人もたくさんいますね。
それぞれが色んな方法を使って「効率の良い溶かし方」を追求しているわけです。




その中でも特に王道となっているのが、泡を細かくして水中にブクブクさせる方法。
パレングラス、ディフューザー、CO2エアストーン等々・・・。
この辺で共通しているのはCO2の泡を細かくして水中にリリースするという部分。

これは単純な数学で効率を求めたものですね。
一つの大きな泡よりも、無数の小さな泡、
この二つの体積は同じでも、小さい無数の泡は何十、何百倍もの表面積を持ちます。

想像するには立方形で考えると楽。ルービックキューブを想像してみるお。
3×3×3個、計27個の立方のブロックが一つに固まると、その表面積は3×3が6つで54になります。
でもコレを27個のバラバラの立方ブロックに別ければ、総表面積は1×1×6が27個で162になるわけです。
合計の体積は同じでも、細かく別けると表面積はグンと増えるですね。


CO2の泡を出来るだけ細かくすると、それだけCO2と水とが接する表面積が増えるわけです。
その結果、もっと効率よく二酸化炭素が水中に溶けていく、という考え方。
もちろんこれは正しい理論であって、表面積が増えれば増えるほど効率よく溶けます。
が、実際にパレングラスなんかをみてみるとコレでもかなりの気泡は水面に到達して空気中に逃げてますね。





気泡が水面にたどり着くと空気中にCO2が逃げてしまう・・・
ならば、CO2の泡をなるべく水中に留めて置けばいいじゃないか、といったような装置も存在します。
CO2拡散筒や螺旋筒などがこの方法を採用している拡散器でし。

つまり、せっかく作ったCO2でも水中から出ちゃうと意味がないんで、
じゃぁ出来るだけ長い間、水中に気泡を滞在させて、時間をかけて溶かすことで効率をあげようじゃないか!
そういう考え方で生まれた方法です。

一番古い方法はすごく雑で、コップを逆さにして水槽に突っ込んでおくような感じの拡散筒でした。
CO2がこの逆さコップ型の筒に溜まり、水面に逃げられないのでだんだんと水中に溶けていくという方式。
発想は悪くなかったのですけど、水に接する面積がかなり少ないのと動きが無いので物理的に溶けにくいこと、
CO2が溜まりに溜まると浮力に耐えられなくなって筒を支えるキスゴムが外れたりする事故も多数。

しかしCO2の泡を長く水中に残すという発想は悪くないぞということで生まれたのが螺旋型拡散器。
細かい泡を作る系の装置は「どのような形の泡を出すか」に集中していたのに対して、
こちらは「どのように泡を動かすか」を追求したタイプです。

チューブから出てきた気泡はディフーザーなどで細かくはされず、大粒で出てきます。
その気泡は浮力によって上に進もうとするわけですが、
螺旋型やジグザク型などの拡散器によって、あらかじめ用意された道を辿って水面に向かうようになっています。
単純に真っ直ぐ水面に進むのと違い、螺旋やジグザグを描いて進むのにはえらく時間がかかります。
普通なら直進1秒で水面までたどり着けるような距離を、大幅に寄り道して1分かけるような感じですね。
時間がかかるということは、それだけ泡が水に触れている時間が増えているわけで、
それはもちろん、より多くのCO2が水中に溶け込むことを意味します。
実際、螺旋型なんかのの拡散筒を進む泡を見ていると、
チューブから飛び出した最初に比べて出口付近の泡はかなり小さくなっています。
CO2が溶けていることが目に見えるので、「あ、ちゃんと溶けているんだな」と実感できる方法ですね。

ただし泡が通るレールがコケや汚れ、貝なんかの生体で妨害されたりする欠点つき。
また、拡散筒付近は大量のCO2が溶け込んでもそれが水槽全体に行き渡らない欠点もあります。




最後にもう一つの王道として、CO2を水流にぶつけて溶かす方式が存在します。
ディフーザーはこれも使った拡散機ですし、他にもフィルターの水を利用した外部接続型拡散筒は大抵コレ。

簡単に言うと、CO2の泡を強い水流に当てて一気に溶かす方法です。
気体の溶解効率ってのは上で述べたとおり、表面積や時間によって左右されてきますけど、
他の要素として圧力と温度があります。
温度は一般的に、温度の上昇とともに溶解度もあがるわけなんでつが、
これは温度を一定に保つ水槽という環境ではなかなか使いづらいファクターですね。

そこで残された方法として圧力を使った溶解効率アップを計ったのがこの水流方式。

すごく簡単に言えば、圧力をかけると気体は水に溶け込みます。
ラムネやコーラなどの炭酸飲料の作り方は、ボトルにCO2を高圧力で注入しているわけで。
砂糖水をボトルに入れて、そこにすげぇ力でCO2を押し込むと行き場をなくしたCO2が水に溶ける、
これでコーラやラムネができるわけですね。

同様に、水槽に放たれたCO2がフィルターの出水口なんかの流れの強い場所を通ると、
水圧によって泡にかかる圧力が増え、行き場をなくしたCO2がより多く水中に溶け込みます。

ディフーザーを出水口につけたりパレングラスを流れの強いところに設置するのは、
ちゃっかりこの恩恵を受けているんですね。

正直、この圧力利用の拡散方法が効率としては一番いいように思えます。
細かい泡方式にしろ滞在時間延長方式にしろ、肝心の「溶かす」工程は自然の摂理任せなのに対して、
この水流利用型は「溶かしやすくする」というダイレクトな方法だからです。


しかしやはり泡が細かければ表面積が多くなってより効率はあがるし、
泡がすぐに空気中に逃げないように工夫しないと何でも意味がありません。




さぁ、今までのは軽い前置きで、ここからが本題だよ(`・ω・´)
・・・前置きがメインになってしまいそうな予感がしなくもないが気にしたら負けだと思ってる(キリッ




色々とCO2の追加方法について考えてきたわけなんだけど、
これらを全て踏まえて、オリジナルで効率の良いCO2拡散装置を自作してみようと思うんだ。
二酸化炭素拡散装置なんぞ、コッチではほとんど売ってないからねw
売ってなかったら自分で作るしかない。DIYが必須な世界だZE☆



よし!
じゃぁ早速、CO2拡散装置の作り方を書いていこうか!!






とある獣医の豪州生活(オージーライフ)-自作CO2拡散装置 筒


できましたー


AKI式、効率最優先二酸化炭素拡散筒だお( ^ω^)


え?作り方?
そんなの自分で考えて作るもんなんだよ!!
「○○製の○○を△△と2cmつなげて・・・」なんて書くのは意味ないわけよ。
ってかまず使ってる部品がオーストラリアの物だしw

それに、別に売物じゃないんだからテキトーに自己責任で作るのが一番いいとおもうんだ。
テキトーに作るにあたって必要なのは「なんとなくわかる全体図」であって、
つまり自分はこの完成図を提供しようってわけ。

部品なんかの説明はどうせしたって外部フィルターのホースのサイズが違ったりするわけだから、
それよりも必要な『原理』の説明が大切だと思うんだ(`・ω・´)



以下、色々と説明。



とある獣医の豪州生活(オージーライフ)-自作CO2拡散装置 筒


まずは拡散筒の上部分の、なんかゴチャゴチャしている部分から説明しよう。

色々繋がっていて複雑に見えるかも知れないけど、
それは持ち合わせの部品を色々と組み上げてなんか良い感じにした結果なんで、
実際に必要なのは立てたときに上から来る順番で以下。

・外部フィルターの出水ホースにつなげられる管的な何か
・CO2チューブをつなげるための何か(ディフーザーでおk)
・CO2供給部分と本体とのつなぎ


CO2供給用のチューブは見場を良くするために90度折り曲げのチューブコネクタを通した後、
一応念のために逆流防止弁をつけておきまし。
使ってるチューブは全て耐圧チューブですけど、発酵式なら普通のチューブでも全然大丈夫。



とある獣医の豪州生活(オージーライフ)-自作CO2拡散装置 筒


そしてコチラが本体と呼ぶべき部分。
こう、細い管が一気に太くなるような感じの物を使います。

ちなみに自分のコレ、この透明なプラスチックは水換えなんかで使うシュポシュポあるでしょ?
アレの砂利掃除用のパーツを使っております。予備があったんでねw
上で部品の細かい説明しなかったのはこのためで、
つまり自作ってのは適当に家を見回して使えそうなモノを組み合わせて作ればいいんですよw

底部分は一方を丸く切り取っておきました。
ここから流れてくる水を逃がす構造。


以下、原理。


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まず、この装置を外部式フィルター、または水中フィルターでも
もしかすると上部フィルターでも大丈夫かもしれん、
とにかく「フィルターから水が出てくる」出水口に設置。

それを立てるとこんな感じに水が流れるわけですが・・・。


ちょっとした流体力学の話になりますけど、
Equation of continuity、つまり連続の方程式ってのは
質量の流れの効率=m(質量)/t(時間)
になるわけでつが、
これを流体にあてて法則を導くと、
m/t = (pV)/t = (p A length)/t と変形できます。
長さ÷時間(length/t)ってのは速さ(v)になるので、
効率=液体密度×管の面積×速さ
こうなります。

簡単に言うと、水ってのは細い管を通るときは流れが速くなって、
その水が太い管に流れていくと、管の面積が大きくなった分だけ
その管を通る水のスピードが落ちる、というわけですね。
ホースの口を潰すと威力が増すのと同じです。

よって、水のスピードは青の矢印のように、
細いところでは大きく、太いところでは小さいわけ。

そしてこのスピードってやつは力学的に圧力と比例している。
q = 0.5pv^2
なんで、水の流れが速いほど圧力があるわけだね。


さて、この装置の中にCO2の泡を投入するとどうなるのか。
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気体が水中に入ると『浮力』ってモンが上に押し上げる力を産む。
浮力ってのは水が深くなって水圧が上昇した際に生まれる反発力。
F(buoy) = pgAh
上の式が浮力という力の値の計算式なんだけど、
要するに液体の密度や物体の面積、水深が増えると浮力が増す。

さてCO2の泡はこの浮力によって上に向かうわけなんだけど、
上に向かうと管の細い部分で水流の強い場所にぶつかる。
すると、水流の強い部分では水の速さによって生まれた圧力+重力が泡を下に押し返す力を加えてくる(F = PA)。

よって泡は下に押し戻されるわけだけど、
そうすれば今度は管の太い部分で水流の速度が落ち、
同時に圧力が落ちるので浮力によって上に向かう力が働く。
そして上に行ったら下に向かい、下では上・・・
これのループが完成するってわけ。

結果、CO2はこの装置の中を永遠に行ったり来たりして、完全に溶けるまで行き来することになる他、
水流の強い場所では水の圧力、弱い場所では深いので強い浮力を受け、
いつでも圧力がかかりCO2が溶けやすい状態に置かれるという話。

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さらに、上から流れてきた水は
細い管と太い管の間あたりで「浮力↑=圧力↓」となる、
水と空気の休戦地点的な場所に勢い良く流れ込んでいく。

流れ込んだ水はいきなり出来ている空洞に突撃するんで、
このときに乱流を作ることが出来るのだ。

乱流ってのは言葉通り、流体が乱れて流れる様。
ただこれは主観的なものであって、実は乱流の正式な定義ってのは
まだ存在しないんだw

でも普通に生活していてもよく見かけるもので、
例えば蛇口をひねった時、水の流れが違うことがあるでしょ?
チョロチョロ~と少ない水を出したときは、
水は真っ直ぐ蛇口から出てくる。これは層流。
で、ある程度ひねって多くの水を出すと、流れ出る水は渦を巻いたり
ランダムになる。これが乱流。

乱流になると物質を拡散する効果が高まるので、
CO2を拡散する場合にも非常に有効な手段。


ちなみに丁度この休戦地点になる場所には
やはりシュポシュポについていた生体吸い出し防止の網々を装着。
水が網にぶつかることによってさらなる水の乱れを産む。



こうして乱流に巻き込まれたCO2はきめ細かい泡になって水中に巻き込まれ、
やがて深くまで流されると浮力によって上に戻る。
メチャクチャ細かい泡になった場合は装置の一番下まで流されても十分な浮力を得ず、
そのまま出水口から水槽内に送り出される仕組み。
これはつまり、パレングラス同様の働きをしているわけで、
実際に装置から排出されるほどの泡はパレングラスと同じぐらい小さな気泡だ。

内部のCO2が増えすぎればそれだけこのパレン式の泡での排出量が多くなるので、
CO2が溜まり過ぎて装置全体が浮力でイカれるなんてこともありませぬ。
まぁこのパレン排出はいわゆる保険みたいなモンです。



ちなみにCO2を供給する部分についての補足説明をすると、
非常に安全で、イーストを使った発酵式に向いたつくりになってまし。
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チューブをつないだ部分は水が流れてくるほうに突起があり、
水路を若干だけ狭くしている。
狭い水路を水が通ると圧力が上がるわけだが、
すぐに元通りになって圧力が下がる。

圧力が下がるということは、下がった分の圧力を補おうとするんで、
チューブのCO2が水の中に引き込まれる仕組みになってる。
さらにここでも若干の乱流が発生するのでおいしい。

早い話が、ディフーザーと付け方が同じだと思われw



なぜ発酵式に優しい構造かというと、それはCO2自体には圧力を必要としないから。
パレングラスなんかはかなり空気圧がないと泡が出てこないので、
CO2ボンベとは違ってたかがイーストである発酵式では太刀打ちできない。
でもこれは水圧こそ最大限に利用しているものの空気圧は一切関係ないんで、
発酵式の垂れ流しCO2で十分にやっていけるのだ。

また、自作の最大の怖さは壊れやすかったり規格がずれていること。
水を扱う部分なので、壊れると床一面が水浸しになりかねない・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
でも今回製作したコイツは、つなげた部品は全て水槽内なんで、万一決壊しても問題ない。
ってか、その前に決壊するような力が加わらない構造になっているからまず大丈夫。
その辺は物理屋に任せておきなさい・・・いや獣医学生だけど(; ・`д・´)



とある獣医の豪州生活(オージーライフ)-自作CO2拡散装置 筒


実際に設置するとこんな感じになる。
乱流に巻き込まれつつループを繰り返すCO2はそのうちにほとんどが溶け、
若干残るCO2はパレングラスも顔負けの細かさになって装置外に排出。
細かい泡も美しいものですな。


さて、今回自分が作ってみたCO2供給システム、メリットとデメリットだけでおさらいしてみると、

メリット
・とにかくCO2溶解率が半端なく高い
・つまり必要なCO2の量が減って財布と地球にお優しい
・溶解した二酸化炭素は水流に乗っているので、水槽全体に行き渡る
・事故の可能性がない
・生体に対する危険性がない(螺旋式なんかは生体が挟まって危ない)
・掃除の必要がない(パレングラスはコケで涙目ですからね)
・CO2の空気圧を必要としない(発酵式でおk)
・安値(ってかタダ)
・使っている外部フィルターにそのまま装着可(作り手の腕次第だが)

デメリット
・装置がでかいので小型水槽では場所をとり過ぎる(小型化は作り手次第で)
・水槽内に入れるんで見場が悪くなる(流木や水草で隠せば問題ない)


デメリットは工夫次第でどうにでもなるんで、
これはなかなかお勧めであります。
同じものを作らんでも、何かしらの参考になるかと(`・ω・´)





・・・いやーしかし、植物の生態は生物学、イーストの仕組みは化学、拡散装置は物理学、
ガッチガチの理系やった(; ・`д・´)