内科では有痛性治療後神経障害の話をされないことが多いようで、ニーズがありそうなのでまとめてみました。

長期間高血糖状態を放置している状態で、急激に血糖値を改善することで発症します。

症状は太ももや背中の冷感を伴うピリピリとした痛みや時折蜂に刺されたような鋭い痛み、両足首から先の夜間の灼熱感を伴う痛みなどです。

受診は内科よりも神経内科の方が適切です。

数か月~数年で治る場合が多いとのこと。ちなみに私の場合、太ももの痛みは10か月、足先は3か月くらいで治りました。

予防は急に血糖値を下げずに1か月に1%くらいを目安に下げるといいようです。

原因ははっきりとしていないのですが、血糖値の変化での細胞の浸透圧の変化や、新しい神経が伸びるためではないかと言われています。


<治療薬>

①キネダック錠(アルドース還元酵素阻害薬)

余分な血糖が痛み物質に変わるのを阻害します(作用機序からして血糖値が下がった人には効果が薄いと思われるので、治療後有痛性神経障害には向いていないと思うのですが)。日本以外の国では副作用などから使用されていません。

私には効果が感じられませんでした。

②牛車腎気丸(漢方薬)

痛みをとったり、血行を改善します。

私には効果が感じられませんでした。

③リボトリール錠(クロナゼパム)

てんかん薬で神経障害にも用いられます。

私は副作用の眠気がひどく、服用できませんでした。前日の夜服用して翌日の夕方まで眠気が残るくらいひどかったです。

まったく眠気が出ない人もいるそうです。

④ユベラN(ビタミンEとニコチン酸)・メチコバール(ビタミンB)

血管拡張作用のあるビタミン剤です。

副作用があまりないのが唯一のメリットです。ユベラNは高脂血症にも効果があるそうです。

私には効果が感じられませんでした。

⑤リリカ(プレガバリン)

痛みどめです。私のときには神経障害に保険適用されていなかったので、服用したことがありません。

⑥ジェイゾロフト錠(塩酸セルトラリン)

セロトニンの再吸収を阻害して頭の中を幸せいっぱいにする薬です。

痛みは変わらないものの、痛みから気がそれる感じです。

人によっては断薬症状が出る場合もあるそうです。

似たような薬でパキシルという薬もあります。

⑦使い捨てカイロ・冷えピタ

薬ではないのですが、太ももは温めて、足先は冷やすのが効果的でした。

湿布薬は効果なしですのでご注意を。




私は有痛性治療後神経障害を発症して、よかったと思っています。

なぜなら、糖尿病は重症にならない限り痛みがなく、治療へのモチベーションが上がりにくい病気だからです。

すんなり自己管理ができるなら、糖尿病になんかなりません。

あの痛みがあったからこそ、現在HbA1c4%台をキープできてるのかと思います。

ちなみに私はHbA1c12%~13%を4年以上放置していました。

インスリンで血糖値を下げた途端、神経障害を発症。

夜間はあまりの痛みでわめきっぱなし、何時間かわめくと疲れて1時間くらい眠り、また痛みで飛び起きます。

睡眠不足と疲労と食欲不振で日中はふらふら。

その上、太ももの痛みで身動きもできない状態。

その頃の記憶はほとんど欠落しています。ただ痛かったことだけしか覚えていません。

また、下痢や起立性低血圧なども出て、日常生活に支障をきたしました。

さらに歩き方がおかしくなったため、整形外科系の痛みが出たり、夜になると痛みへの恐怖で、パニック障害一歩手前の状態でした。




今は、ほとんど症状がでません。冬の寒い日に、太ももがちょっとピリピリするのが年に2~3日程度です。

有痛性治療後神経障害は必ず時間経てば治ります。それを信じて、治療を断念せず糖尿病を改善しましょう。