薬剤師会の勉強会に参加してきました
薬剤師は一度国家試験に合格すると
何か法に触れるようなことをしなければ
一生資格は取り消されません
ケアマネージャーは更新制で
業務に携わってないペーパーケアマネは
更新が難しい制度になってますよね
薬剤師も 日々進歩する医薬の知識を得ているかどうかの
判断材料の1つとして
また 自己研鑽を奨励するために
認定薬剤師制度 というものがあります
勉強会に参加するとポイントがもらえ
3年間で30ポイント集めると更新できるのです
夜8時からの勉強会で
仕事で疲れているにもかかわらず
会場は満席に近い状態でした
勉強熱心な薬剤師 多いのですね
さて 演題は 呼吸器疾患における在宅療法でした
在宅で療養される呼吸器疾患は
COPDが非常に多いそうです
DOPDはたばこ病とも呼ばれるくらいで
原因の90%くらいが喫煙です
継続した気管支の炎症後
肺胞が破壊されることにより呼吸がしにくくなります
最初は体を動かしたときに息切れを感じたり
咳や痰が続いたりする程度なので
見過ごしてしまいがちです
症状が進んでくると
少し動いただけでも呼吸が苦しくなり
もっと進むと寝たきりで酸素療法が必要になることもあります
そして 最後は死に至ります
2011年の統計によると
日本のCOPDの死亡者数は16639人で
今後ますます増えることが予想されます
メルクマニュアルによると
日本だけでなく世界中で患者が増え続けており
2020年には世界の5大疾病原因になるとと予想されています
そして 約50%の患者が
最初にCOPDと診断されてから10年以内に死亡する
と書かれています
こんなに恐ろしい病気なのに
まだ世間一般の人々に周知されている感じはありません
テレビのCMでCOPDの認知度は上がっているようですが
症状の苦しさや病気が進行する経過までは
まだあまり知られていないと思われます
大規模な疫学調査研究(2001年)の結果
日本人の40歳以上のCOPD患者数は530万人です
その10年後の2011年の厚生労働省調査で
COPDと診断された患者数はたったの22万人です
つまり ほとんどの人は症状がありながら
COPDと気付かないで受診していないか
正しく診断されていないのです
そしてたばこが原因であることも
知られていないのです
私の父も若い頃からヘビースモーカーで
途中で禁煙したのですが
60歳くらいからCOPDの症状がひどくなり
少し動くと息切れして 好きな散歩にも行けなくなってしまいました
最後は肺がんで亡くなりましたが
在宅療養中も呼吸困難がとても苦しそうで
見ている方も辛かったです
たばこの副流煙にもCOPDの原因となる
有害物質がたくさん含まれています
吸っている本人だけでなく
周りにいる人にも同じように悪影響があるのです
喫煙はニコチン依存症という一種の薬物中毒なので
意思だけでは簡単にはやめられません
最初の方のブログ記事
<禁煙~チャンピックスがない!>に詳しく書いてますので
よかったらご覧ください
うちの子供たちは祖父の苦しむ姿を見ていたし
たばこの害を小さい頃から繰り返し聞かせたので
たばこは絶対に吸わないでしょう
幼い頃からのそういった教育も大事ですね
本題に入る前の前置きが長すぎました
勉強会のCOPD関連を少しだけ・・・
COPDの在宅療法
診断基準
FEV1%(一秒間に息を吐く力)<70%
在宅酸素療法(HOT)
PaO2(動脈血酸素分圧<60torr
SpO2(経皮酸素飽和度)<約90%
を呼吸不全として導入する
→
目標数値
PaO2>60%、PaCO2<50%、pH>7.3
酸素の投与過多はCO2ナルコーシスで呼吸が弱まるので注意
人口呼吸器(NPPV:マスク式陽圧人口呼吸)
チューブを使用せず、気管切開しない方法
導入酸素療法でO2濃度が上がらない、または
CO2がたまってくる(アシドーシス)場合に導入
PaCO2が60torr以上が導入基準
栄養管理
栄養状態の悪化はCOPDの急性憎悪の要因となる
・呼吸筋力の低下→換気障害
・免疫機能の低下→感染
食事は4~6回にわけ、高タンパク食・ミネラルの摂取を心がける
50%を炭水化物
脂質を20~30%・・・多めにとる
※エネルギー源として、糖(炭水化物)より脂質はCO2の排出が少ないため