ウエディングドレスの制作が終盤に差し掛かる最後の難所がまつり縫いです。
ドレスの裾幅が広いので、一着少なくとも10m以上のまつり縫いをして仕上げます。
まつり縫い・・小学生の家庭科でその名前を覚えている方も多いと思いますが、
今回はティアードになっているドレスのため約30mのまつり縫いをしました
最近、機械でまつり縫いをしているところも多いのですが、やっぱり手作業とはぜんぜん違うんです
裾が、ふんわりとやわらかいふくらみを持ってくれるんですよ
結構地味で、細かい作業なのですが私はこの最後の仕上げをしているときの時間がとても好きです。
この長いまつり縫いの間、思い出すのはドレスを作り始めてからのいろんなこと。
最初に、相談に来てくれた人の顔、布を選んだときの顔、その場所、会話・・・・
花嫁さんと過ごした時間を走馬灯のように思い出します。
最後、これが終ったらこのドレスは完成してしまう。
なんだか、とても切ない思いになります。
これを着て、挙式をあげる日のことを思い出すとね
一針、一針思い出をつづっていくような作業なんです。
そうそう。ドレスには「なるべく多くの人に手を加えてもらえると幸せになれる」
というジンクスがあります。
ということで、うちでは花嫁さんのご友人や、ご家族に一針入れてもらうことがあるのですが、今回のあすかさんは彼にドレスの色も内緒。もちろん友人達にも。
なので、うちの生徒に来てもらい針を入れてもらいました。
たくさんの思い出と想いがつまった花嫁さんと作り上げたドレス。
幸せを心から願ってます。