鬱病に苦しむ貴女へ | 半三本のカンフル日記

鬱病に苦しむ貴女へ

(この記事を,鬱病に苦しむ全ての方,そして初めてコメントを下さったゆっちぃ~様に捧げます.)






私は鬱になったことはありません.

厳密には,鬱と診断されていないだけで,実際には鬱だったのかもしれません.

私自身に鬱になる素養があったのは否めませんが,そこに種をまき,芽吹かせた原因は間違いなくモラハラの体験が元になっています.

その後の配属先でのプレッシャーに負け,自らその芽を育てる結果となってしまいました.

担当医に当時の職場での勤務は事実上不可能と宣告され,異動することとなったのです.



私は幸運です.



モラハラを受けたとはいえ,一ヶ月という短期間で済んだこと.

最初の異動先で診断にかかることができたこと.

担当医が移動を勧め,上司が認めてくれたこと.

異動先の上司が静かに見守ってくれていること,など.


なんと多くの方に助けてもらえたことか.心から皆様に感謝です.



…さて.



カウンセリングを受けていて気付いたのですが.私を受け持つカウンセラは患者に対して殆ど否定の言葉を口にしません.

せいぜい,ネガティヴになっている患者を否定することで,ポジティヴに持っていくくらいです.

患者が本来持つ魅力や価値観を受け入れ,認め,尊重することで,患者の尊厳や自信を取り戻し,患者の精神の安定を取り戻す.

誤解を恐れず言いますが,それがカウンセラの技術の一つなのです.

その事に気付いたとき,私の脳裏にあったのは「所詮は仕事か…」ではなく,「これは使える!」でした.

つまり,ネガティブな自分を自覚した瞬間,即座にポジティブに意識を切り替えるように日頃から努力したのです.

平たく言えば,意識的に,半ば無理矢理にでも「吹っ切った」「楽観的になった」のです.

決して「投げやりになった」「やけくそになった」のではありません.

その甲斐あってか,カウンセラの想像以上の成果が出ているようです.

カウンセラの技術を日常に導入したということは,毎日カウンセリングしているようなものですから,ある意味当然かもしれません.




ここで,カウンセリングの過程で,過去と現在の自分を見つめなおし,感じたことがありましたので,今回はそれを皆様へのメッセージにしようと思います.

文才のない私ですが,当時の私の心境から何かを感じ取って頂けましたら幸いです.








過去の私へ.





君は薄暗い小部屋の中,一人膝を抱えて震えていたね.


まわりは全て敵.そう思っていたね.


味方はいない.そうも思っていたね.


昔は自由に飛べたのに今は飛べなくなった.そう思っていたね.


飛べない自分は駄目な奴だ.そう思っていたね.





でもね.それは違うんだよ.


外には恐ろしい魔物は確かにいたよ.


君は魔物に襲われ,怯えきってしまっているんだね.


でも,君を守ってくれていた人だって確かにいるんだよ.


君は,魔物を怖がるあまり,世界全てを怖がっているんだよ.


それは,一本の枯れ木を見て,森が枯れていると考えるようなものなんだよ.


それってとても寂しいことなんだよ.





さあ…勇気を出して.


ドアを開けてごらん.


そのドアは魔物の侵入を防いでいるんじゃない.


君が外へ出るのを邪魔しているんだよ.


そのドアは,小部屋への入り口なんかじゃない


君が小部屋から世界へ飛び出す,出口なんだ.





君が部屋から飛び出したら,まずその世界の広さに驚くだろうね.


その明るさに,目が眩むだろうね.


空の,草木の,太陽の色鮮やかさに目を奪われるだろうね.


風の,土の,花の薫りに,心奪われるだろうね.


そのあまりの広さに,明るさに,色鮮やかさに,薫りに…君は怯え,泣いてしまうかもしれない.


でもね,それでいいんだよ.


今は思い切り泣いて,泣いて…頭を空っぽにしよう.


疲れて眠ってしまうくらいに,泣いてしまおう.


大丈夫.今は見えないけど,君を守ってくれている人達がいるから.





目が覚めたら.自分の背中を見てごらん.


とても真っ白で,とっても大きな翼に気が付くだろうね.


君は翼を持っていないんじゃない.


あの小部屋が薄暗くて,翼が見えなかっただけなんだ.


君は空の飛び方を忘れたんじゃない.


あの小部屋が狭すぎて,君の大きい翼が羽ばたく邪魔になっていただけなんだ.





じゃあ,今度はまわりを見てごらん.


君の仲間がいることに気付いたかい?


みんな嬉しそうだ.


それは,君が小部屋から出てきてくれたからなんだよ.


君が出てきてくれることを信じて,ずっとずっと,小部屋ごと君を守ってくれていたんだよ.


君が飛べないと思っていたときも,彼らは君が再び飛べると,ずっと信じていたんだよ.


君が飛べなくたって,彼らは君を大好きでいてくれたんだよ.


君の魅力は,空を飛べることだけじゃなかったんだよ.





ほら.


もう,不安はないだろう?





そうとわかれば,早速大空へ飛んでいこう.


空を飛べば,この世界がもっともっと広かったって,思い出すだろうね.


目も眩むくらいに明るかったってことも,思い出すだろうね.


土,風,草花の色鮮やかさはこんなものじゃなかったって,思い出すだろうね.





ところで,君は感じているかい?


太陽は君を温めてくれているって.


土は君を受け止め,翼を休ませてくれているって.


風は君を優しくくすぐってくれているって.


草花は君の気持ちを穏やかにしてくれているって.


世界は,はじめから君を拒んだりしていなかったんだよ.





どうだい?


あの薄暗い小部屋に戻ろうなんて,もう思わないだろう?





そのことに気付いた君は,また泣いてしまうかもしれない.


ぽろぽろぽろぽろ,赤ん坊みたいに声を上げて泣いてしまうかもしれない.


でも,まわりのみんなは嬉しそうだ.


泣いていても,君の顔はとても幸せそうに笑っているから.


その涙は,幸せの涙だから.


その声は,歓喜の産声だから.





―― 君は,もう一人じゃない ――




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