再びこんにちは(こんばんは)♪
最近入居したお向かいのベトナム人宅から永遠にお経とお燐の音と人の声が響き渡り、永遠に線香臭く心なしか煙たいハノイの我が家より、本日は2度目の更新です。
土日おサボりしましたので
本日2つ目の記事は、ちよぴっとテト関連のお話。
テト用の桃や金柑の花市を廻るついでにタイ湖周りのお寺を覗いてみた時のお話です。
最近はテト前とあってどこのお寺の門も開かれていまして…
中には年末の参拝がてらアオザイを着て撮影会をしているベトナム人がいたりして、お寺は普段よりも人の気配が感じられます。
▼今年は普段着風のアオザイが流行りの模様
↑此方は割とトラディショナルですが…
▼こんなピンクのショート&スリムタイプや
ズボンではなく膝丈のフレアスカートだったり生地が綿だったりと、ハノイでもバリエーションが増えております(ホーチミンでは数年前よりあるようでした)。
さて、そんな賑わいを見せるお寺の1つを見学した際、お坊さんや尼さんたちがテト支度をされていました。
▼お寺の中にもお飾り盛り盛りバイク
腰にかけたレコーダーでお経のテープを流しつつ箒で掃除をしたり、飾り物をしたり、お茶を飲んだり。
なんとも昔ながらのお寺らしいのどかで素敵な雰囲気です。
▼一枚板の石机の上には金柑とお供えもの
一週間程前のお話ですので、かまどの神様"Ong Tao"の支度も着々と進められているようでした。
そんな中、こんなものを発見いたしましたよ!
▼???
はじめはご本堂の脇にピラミッド型に積み上げられていたこちら。
知りたがりなhanocoさん、好奇心に負けて作業中の尼さんに「これなぁに?」と聞いてみると、、
「L◎×△☆↑a....」
案の定、帰ってくる答えが分かりません(笑)
分からないまま眺めておりますと、1つ切り分けて掌に乗せてくれました。
え、貰っちゃった??
"Loc Tam Bao"...
"Lộc Tam Bảo" ▼お線香から立ち上る煙が信仰の証 ▼お寺の向こうはタイ湖です。 ハノイには、ガイドブックには載らないけれども何とも趣のあるお寺が各地に点在しております。
・・・・・。
え、待って。
まず、これ、何?
食べ物?
ロウソク?
ただの置物??
で、これ、もらっちゃって良いの?
ベトナムなのに、お金、いらないの?
ていうか、ウチに持って帰るものなの?
それともお寺でお供えするものなの?
むしろ、湖に流すの?←イメージは灯籠流し。
もう、サッパリ分かりません。
周りに英語が通じる方はゼロ。
わらわらと近寄ってくるベトナミーズ達と、底辺を這い続ける微妙なベトナム語でコミュニケーションを試みます。
とりあえず"ハノイに住んでいる日本人"ということを理解していただき、その上でこれは"ラッキーラッキー♪"と言われました(笑)
うん、Lộcだからね。
日本の福禄寿と同じく、"phúc lộc"で"福禄"を意味するベトナム語。
なんとなく幸せっぽいことは分かる。
分かるけど!
これが何物なのかグーグル先生に聞いてもさっぱり
当初スペルが不安だったので声調無しで検索すれば、割とメカっぽい製造会社の機械やシルク工場の写真が出てきちゃうし、仮に声調付けても仏像の写真が出てくるだけだし。
日本語だけでなく英語検索にチャレンジしても…
お手上げ状態(笑)
結果、長居するつもりのなかったお寺の中に1時間近く居座り、周りのベトナム人の様子を観察。
最終的に①お金不要、②おそらく落雁的なお菓子、③お持ち帰りOKと読んでお礼だけ伝えて退散してみました(笑)
後から聞いてみると、これはお寺からの施し。
やはり、米粉と砂糖でできた落雁のようなお菓子で、お支払いは不要。
もし心付をしたいなら境内にある大きな箱(いわゆるお賽銭箱)に数千ドン入れ、持ち帰って有り難く食べたら良いそうな。
ちなみに"Lộc"とは、ベトナム文化の中で、無償で人に分け与えるものを指し示すのだとか。
例えば、お寺や神社からいただく無償のお菓子や御守りのようなもの。
例えば、結婚式や新築祝いなどで配られる引出物。
例えば、ほぼ無料で食べられる炊き出し料理。
ちょっと抽象的な言葉ではありますが、日本のものに置き換えるならば、神社で配られる御神酒、お寺のお饅頭、上棟式の投げ餅やお菓子、新年の無料餅つき大会などが当てはまるそう。
"施し"とはまた違った意味らしいのですが、人にものを分け与えるという良いことを通して徳を積む行為のことを言うようです。
また、"Lộc Tam Bảo"のTam Bảoは、今回の場合複数体ある仏像の中心にいる方=ご本尊を意味しているとのこと。
今回の場合は、"ご本尊から分け与えられる施し"と捉えて良いそうですが、Tam Bảoの部分には違う言葉が入ることもあるらしいです。
そこに入っている言葉が、施しの出所ということだそうな。
基本的に無料で、お寺等で何か催しものがある時やあまり混み合わない時にいただけるそうで、知り合いのベトナム人にも「面白い経験したね」と笑われました
本当にね、日本と文化はよく似ているのに、言葉がちょっと通じないだけで手の中にあるものが何なのかサッパリ分からなくなってしまう。。
悔しいです。
ちなみにこのお菓子、日本なら暫く神棚や仏壇にお供えしそうなものですが、「ハノイではすぐカビるからサッサとお食べ」と言われました
もしこんな体験をされましたら、ご参考になさってください
さて、こんな貴重な体験をさせていただいたお寺は此方!
▼境内の中は立派な木がたくさん!
▼厳粛な雰囲気を纏うご本堂
▼タイ湖に向かって鎮座する石仏
▼ご神木周りには石像がいっぱい!
▼ベトナムらしい屋根と色とりどりの旗
▼人の息遣いの感じられるお寺は…
Lạc Long Quân (ラックロンクァン)通りにあるChùa Vạn Niên。
ヴァンニエン寺(万年寺)でした
観光地としては滅多に聞くことのないお寺ですが、実は1014年建立の歴史あるお寺で、長年僧侶たちの修行の場となってきたそう。
旧暦の1月15日には、厄除け祈願の星祭りも執り行われるそう。
そんなわけで、帰国までにできるだけ多くのお寺にお邪魔したいと思っておりますよ。