なみなみと注がれた
風船グラスを
じっと眺めた』
酒だけに集中するつもりである』
『グラスは変貌していた。
『瑪瑙の髄部だけで作った
果実のようなものがそこにある』
深紅に輝く、若い酒の暗部に見とれたり
噛んだりした』
よく成熟している。
肌理がこまかく、
すべすべとしていて、
『くちびるや舌に
乗ってくれる』
咽喉へ
ごくりとやるときも、
すかさず眺めようとするが、
のびのびしていて、
まったく乱れない』
『ロマネ・コンティ・1935年』より
味わいつくされてしまいました
美酒を味わう時は
花にも…