ショートショート「グラス」
佐藤「はーっくしょん」
上司「何だ、佐藤君この時期にくしゃみってことは花粉症かね」
佐藤「あ、はい、そうです。」
上司「なんだ、だらしないな」
佐藤「あのですね、上司殿、花粉症ってのは、
グラスに水を少しずつ溜めるようなもので
誰でも、必ず一杯になって花粉症になるんですよ。」
上司「グラスの水が一杯になると花粉症になるのかね。」
佐藤「ええ、そうです。」
上司「私のグラスは1.5リットル入る、当分大丈夫だ。」
佐藤「ああ、そうですか」
上司「 君は、いくつから花粉症なんだ?」
佐藤「小学校ぐらいからです」
上司「ということは、君の花粉症のグラスはかなり小さいんだな」
佐藤「そうかもしれませんね。」
上司「時に君は、この間、総務の里香ちゃんとデートしたそうだが、
割り勘だったらしいな。」
佐藤「なんで、そんなこと知ってるんですか?」
上司「どうやら、君が小さいのは花粉症のグラスだけではないらしいな」
佐藤「人としての器、いや男としての器も小さいと!
上司といえど私生活の詮索はしないで貰いたい」
上司「ああ、そうか」
~数日後~
上司「は~っくしょん」
佐藤「あれあれあれあれ、上司殿くしゃみ?ですかな?
ひょっとして花粉症ですかな?
上司殿のグラスも意外に小さかったのですかな?
これは、ひょっとして男としての器も?」
上司「いやいやいやいや、
やはり現代人たるもの、花粉症の一つもひかないと!」
佐藤「むふふふ(w」