日の丸を背負いし小さな侍 | 花師論

花師論

まるっきり今までの生活を捨てて、ひっそりと身を隠して起死回生をボ~っと見つめるただのおっさん。
世間では「報われない人」と笑われ、「前に出るな」と罵られながらも、いつも笑顔で暮らしている。
さてさて、この先どこまで行くのやら?

中学生硬式野球世界選抜

$花師論


ダルビッシュ有の出身チーム、「羽曳野ボーイズ」所属
小学生時代はドッジボールで活躍し、大和魂を初めての全国大会へと導いた立役者

Mr.大和魂 野元 仁

幼き頃、他の子供と比べると、活発であり、奇妙な行動が目立つ事から、保育園時代の先生の勧めもあって検査

その結果・・・

「ADHG アスペルガー症候群」と診断

トラブルが絶えない日々に、無理心中までに迫られる。
それでも我が子を見つめ考え直し、笑顔を絶やさなかった小学校時代。

地元の少年野球チームから、「他の子どもが怪我をしたら危ない」との理由で、入部を断られる。
近所では親が子どもの手を引き、「遊んだらアカン!」と家に連れて帰る。
誰とも遊ぶ事無く、心はどんどん闇へと堕ちて行く。

口癖はいつも「どうせ俺ばっかり・・・」

そんな時、姉結成したドッジボールチーム「大和魂」に入部志願

大和魂入部から、人生は大きく動き始める。
落ち着きの無い行動は、予想以上にトラブルを巻き起こす。
カウンセリングの指導はいつも、「大声で怒らない」
あれをしない、これをしない、どれを取っても特別扱いのオンパレード
それをいい事に、やりたい放題の毎日を、厳しく厳しく押さえつけた。

トラブルを起こす度に、仲間はそっと手を差し伸べ、時には厳しく突き放す。
その暖かさに包まれて、仲間の大切を知り、彼はすこしずつ成長し続ける。

気が付けば中学生

プロ野球選手を夢見、毎日毎日白球を追いかける。が・・・
続かない集中力と、押さえ切れない感情で、上手く表現出来ない日々に苦悩する。

「一生治らない」

カウンセリングの冷たい言葉
気持ちを押さえつける為のキツい薬の副作用

ドッジの仲間と、夢を追いかけ、どうしようもなかった荒くれ者が
後輩達から激励の色紙を贈られる。
駆けつけた仲間と共に収まる写真の中で、最高の笑顔を映し出す。

$花師論

「色紙、ほんまうれしかったわ。」

昔・・・
こんな事を聞いた事がある。

「大和魂を感じ一文字で表すなら、なんて漢字や?」

即座に「友」と答える。

初めて得た大切な仲間
荒れくれたつまらなかった時代を振り切って、今日、日の丸を背負って中国へと旅立った。

ドッジ界から出た軌跡
姉はアイドルグループ「アイドリング!!!24号」であり、跡を追うように、小さな侍となって中国大陸で夢を近づける。 

ドッジ界にとって、これはとてもとても小さな事実だろう。
でも、小さい頃から知る者にとっては、とてつもなく大きな史実である。
鼻つまみ者が、どうして日の丸を背負って戦うまでになったのか?
振り返るだけで胸が詰まる。

全国大会のあの、カラーコートに立った姿を見ただけでも、達成感が溢れていたのに・・・
まさか日の丸を背負う日が来るなんて。。。

馬鹿にされ、弾き出された事なんてもう、「どうだってええやん!」と目を細める。
どうだってええことなんてない。
それでも青い空を見つめて、お腹を押さえながら、緊張を隠せないその姿に、ちょっとだけ頼りない「侍魂」を見た気がする。

日の丸を背負いし小さな侍

自分自身は気づいていないだろう。
ゆっくり歩いて来た、曲がりくねったでこぼこ道を。
それでもシッカリと未来に向って、歩み続けている事は明確だ。

あの時・・・
もしも、もしも、思いとどまらず、無理心中が慣行されていたら
こうして、二人で写真に納まることなんてなかっただろう。

生きていれば何かが起こる。
そして、諦めなければ、必ず道は後ろに出来る。

人の二番目に立って、背中を推す男

「仁」

その名の通り、副キャプテンとして、背中で魂を語ってくれ!



$花師論