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近所の公演でお祭りがあった。盆踊り納涼祭。あれ、納涼盆踊り大会?
とにかく、夏祭り。
小さな公園には矢倉が組まれ、てっぺんでは太鼓が鳴り、台の上では盆踊り。矢倉の周りも盆踊り。
こどもたちがぎっしり集まっていて、公園がとても広く大きく感じた。

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全て、地区の自治体で運営されていて、出店も地区の商店街の方々がやっている。だから家庭的で、安い。おいしい。
出店の人が、みんなお祭りを楽しんでいて、お祭りの出し物の一つとしてお店をやっていたから、私も買うことでしっかりお祭りに参加できた気分だった。嬉しかった。

はしゃぎ回るこどもたちを見て、私もはしゃぎ回りたくて、羨ましくて、なんで私は大人にならなきゃいけないんだろうと思って、羨ましくて羨ましくて、泣いた。

光るペンダントが欲しかった。だから買った。

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ペンダントのお店でお手伝いをしていた、小6か中1かそのくらいの女の子が、とても優しかった。きれいだった。きらきら柔らかかった。

ぴかぴか光るペンダントをつけて歩いて、嬉しくてたまらなかった。
小1くらいの男の子が、あー光ってるー!って指差すから、思わずはしゃいで、そうなのきれいでしょ!?って態度を見せたら、男の子はびっくりしたあと、表情を曇らせてしまった。
私は何かしちゃったのかと思い、だけどわからなくて、そして男の子の心が近付くことももうなくて、少し傷付いた。

あとになって、あれは、大人なのに光るペンダントをつけてるー!と言っていたのだ、と気付いた。私には、お姉さんとしての返答が求められていたみたいだ。

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最近、進むことや発することや見つけることや、そういうことを拒絶していた。疲れたんだと思う。だけど、それでも、私の大切優先ランキング第一位にはお芝居が君臨していて、思わない日は無かった。

演劇の、最も面白くて残酷でたまらない魅力とは、舞台の上に生きている生身の人間が居て、観ている人間も同じ空間を生きていること、だと思った。

生きた生身の人間を、何の遠慮も無く正面からじっくり観察して良いというのだから、恐ろしいし面白いしやめられない。

私は、ただ生きて舞台の上に居たい。それを、一緒に生きて観てもらいたい。

舞台の上に居られないと、私は、ただ生きることすらできないんじゃないか、と思った。