母が亡くなって8日後仕事に復帰した。
年休がもうないのと、なるべく早く日常に戻ったほうが気分的に楽かな、と思って。
ひとりで家にいても泣いてばかりだろうし。
仕事に来ても結局は自分のオフィスに閉じこもっていた。
用事はメールで済ませ人と顔を合わせないようにしていた。
仕事をしていても何の前触れもなく突然涙が流れたりした。
最初の週は上司も、帰宅したくなったらすぐ帰っていいからと言ってくれたし、
5月はちょうど仕事も忙しくなくて助かった。
普段から仲良くしている同僚が二人いる。
1人は中国人。
挨拶はするけどそれ以外はオフィスに引っ込んで出てこない私を
ふたりとも心配していてくれたらしい。
そっとして置くのがいいのか? 話しかけたほうがいいのか?
そうこうしている内2週間半して中国人の同僚からメールが来た。
「話しかけたいんだけどなんて言っていいか分からない。」と言う内容なんだけど
英語のあまり得意でない彼女の言い方がカチンと来た。
すっごく親切で面倒見のいい人だからと、普段は大目にみている言い回しがカチンと来た。
「心配してるからこっちにも気を使え。」と行ってるように・・・読み取れた。
カチンと来てる勢いで家に帰って娘に話した。
すると娘が、
「やだ~、ママ、彼女すっごく心配してるんだよー。」
の一言ではっと目が覚めた。
不器用で不躾な表現は今始まったことじゃない。
本人も自覚しているんだけど、それを押して私に手を差し伸べようとしてくれたんだよね。
そんなこと・・・分かってるはずなのに、なんだか受けいられなかった・・・。
翌日・・・。
会社に行ってその二人をオフィスに招いて葬式等の写真を見せながら
説明したり母の思い出話をしたり・・・。
その中国人の同僚は去年お父さんを脳梗塞で亡くしている。
享年64歳。
健康だったお父さんが急に倒れて危篤の知らせが入った。
それから彼女はビザを申請し、運悪く週末にかかったのもあって結局お葬式にも間に合わなかった。
仕事等が忙しく4年故郷に帰っていなかった。
その年の夏4年ぶりで帰る計画を立てていたのに・・・間に合わなかった。
最後のお別れさえ・・・できなかった。
そんなこんな話をしながらオフィスで3人で泣いた。
皆それぞれいろんな思いを抱えて生きているんだと思った。
そして一緒に泣いてくれている・・・。
ひとりじゃないだ、と思ったら・・・ちょっと元気が出てきた。
「回生」に向かってると実感したひと時でした。