詩杜香会報VOL27  沙耶花のポップコーン №1 | 愚濁庵のつれづれブログ

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「貧乏神」の画像検索結果

詩杜香会報27号に掲載されていた、沙耶花の新しい
コラムです。

 明けましておめでとうございます。
 今年もどうぞよろしくお願いします。

 お正月にふさわしい昔話を………

 ある村に怠け者の男がいて、毎日ゴロゴロと寝てばか
りなので、家の中はあれほうだい。それでもある日、その
男のところへお嫁さんがやってきた。
 
 そのお嫁さん、男が寝てようが、起きていようが、朝早
くから晩遅くまでせっせと働いていた。

 あまりに働くので、男はそのお嫁さんにつられていつし
か外に出て自分も働くようになり、少しづつだが、暮らしが
よくなってゆき、人並みにお正月が迎えられるようになった。

 大晦日の夜、“あーあ、明日はお正月。お前が来てから、
人並みにお正月を迎えられる”
 と、そんな話をしていると、どこからか“おーん、おーん”
大声で泣く男の声がする。

 二人はその声がどこから聞こえるのか探してみると、押し
入れの中からだった。

 そして、その男はなんと貧乏神。
「貧乏神」の画像検索結果

 “なぜ、そんなところで泣いているの?”と二人が訊くと、
前よりも大きな声で泣きながら、貧乏神は、

 “わしは、この家が気にいって、ずーっと住んでいたのに
……二人があんまり働くもんだから、わしは明日この家を
出ていかなければない。それが悲しくて泣いている”

 と言う。二人はびっくりして
 “そんなに気に入っているのなら、出てゆかずに ここで
暮らしたらいいさ”


 と二人が言うと
 “わしは貧乏神だから、豊かになったこの家にはいられな
い。明日になればここに福の神がここへやってくる”

 と言う。二人は、
 “福の神なんか追い出してあげるから。心配しなくてもい
い。三人でこれから先も暮らそう”と言うと、

 貧乏神はものすごく喜んで、三人で除夜の鐘を聞いてい
たら、百八つの鐘が鳴り終わった時に、“アハハ…”とやって
きたのが福の神。

 “貧乏神、出てゆけ。わしがこの家に住む福の神だ”

 家の中に入ろうとした時、“わしは出てゆかない”と、いい合

いなり、すもうを取って負けた方が出てゆくことになった。

 すもうを取り始めて、貧乏神が負けそうになると、男とお嫁
さんは“貧乏神、負けるな”と声援を送ります。

 しまいには、貧乏神に加勢をして、とうとう福の神を追い出し
てしまった。

 貧乏神はあまりの嬉しさに、福の神が消える時に忘れていっ
た小槌を手に取り“うわぁーわしが勝った。勝った”と小槌を振
ると、お金がたくさんでてきて、いままで貧乏神だった男がいつ
のまにか福の神に変わって、暮らしがますますよくなったという
話です。

 この話を去年のお正月に聞いたのですが、この話をしてくれ
た人が

「この若い夫婦が泣いている貧乏神を背負って一緒に暮らそう
と優しい心が、いつのまにか貧乏神を福の神に変えたのです」
 と解説してくれた。

 この若い夫婦のファイトを去年ゴールインされた、たまご・ライ
ラック・あざみ、そしてリシュン、青磁に捧げます。

 いつまでも、お幸せに。

 年賀状くださった皆様、ありがとう。

 懐かしい人からもいただきました。


 OBの佐藤香織さん、ムーミンさん。ムーミンさんは詩は綴って
いないけど、自分なりに生きていると‥‥。

 お正月、暖かいせいもあってか、なんとなく過ぎたって感じですヨ。

 今年もたくさんの出逢い、ありますように……。

 新人の方々、よろしくネ。さがさきゆうさん、あなたのこと、テル氏
は忘れていたようですヨ。(でも、大丈夫!!)

 では、また来月に。