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こんにちは。花井綜合法律事務所です。

本日は、裁判例の紹介をしたいと思います。

 

警備員の仮眠・休憩時間等が労働時間に該当するか否かについての地裁判決(千葉地裁平成29年5月17日)が出されました。

なお、同判決では配転当の有効性も問題になっていますが、今回は、労働時間該当性の部分のみご紹介します。

 

警備員は仮眠をとったり、休憩をとったりしますが、この仮眠時間や休憩時間は、労基法上の労働時間に当たるのでしょうか?

仮眠時間や休憩時間には実作業に従事していないため、労働時間に当たるかが問題となります。

 

まず、裁判所は、労基法32条における労働時間を「労働者が資料者の指揮命令下に置かれている時間」をいうとし、実作業に従事していない時間(不活動時間)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が不活動時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである、と述べました。そして、不活動時間において、使用者の指揮命令下から離脱しているといえるためには、当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていることが必要としました。そして、「当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているのが相当である」とし、これまでの最高裁判決を踏襲する判断基準を示しました。

 

本件では、労働契約に基づく義務として、仮眠室における待機と警報等に対して直ちに対応することが義務付けられていることや、仮眠時間や休憩時間中であっても、当該警備員が機械の誤作動等に即応しなければならず、そのような仮眠時間中の出動が8カ月の間に少なくとも4回あった等の事情から、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価することができると判断されました。

つまり、労働時間に該当すると判断されたのです。

 

近年、会社に対する未払い残業代の請求が多くなってきています。

 

未払残業代があると、会社は、労働者が退職した後には、退職金を除く残業代につき年14.6%の遅延損害金を支払う必要がありますし、労働者から裁判を起こされた場合には裁判への対応をしなければならなくなるなど、多くのリスクを負うこととなります。

そこで、会社としては、労働の実情を把握したうえで、正確に労働時間を計算する必要があります。

 

現在の労働時間の算定に、問題やご心配なことはありませんか?

ご不安な点がありましたらお気軽にご相談ください。

 

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