縞模様のパジャマの少年  映画館にて鑑賞


監督 マーク・ハーマン

出演 エイサ・バターフィールド ジャック・スキャンロン デヴィッド・シューリス ヴェラ・ファーミガ

2008年



<花>の本と映画の感想-縞模様のパジャマの少年


縞模様のパジャマの少年 [DVD]/エイサ・バターフィールド,ジャック・スキャンロン,アンバー・ビーティー
¥3,990
Amazon.co.jp




第二次世界大戦下のドイツ。将校である父の栄転で、ベルリンから離れた場所へ引っ越してきた8歳のブルーノ。窓から見える“農場”では、パジャマを着た人たちが働いていた。庭から外へ出ることは禁じられていたが、こっそり抜け出したブルーノは、鉄条網で囲まれた“農場”で一人の少年シュムエルと出会う・・・・・・・



ユダヤを扱った映画は、どれも重い内容であるが、これはかなりつらい。ラストの衝撃があまりに大きかったために、映画を見終わっても立ち上がることができなかった。今も息苦しさを引きずっている。しばらくは、うなされそうである。


12歳の姉が、洗脳されていくのが、こわいなあと思いながら見ていたが、ブルーノは、以前とは違う雰囲気は感じていただろう。しかし、はっきりしたことは、わからなかった。


ブルーノは、家庭教師のリスト先生から、ユダヤ人のことは聞いていた。パヴェルは、以前は医者だったのに、ユダヤであるために今は使用人としてしか働けないことを知った。しかし、まさか、農場(収容所)でこのようなことが行われているとは、ブルーノは思わなかった。盗み見した収容所の映画では、明るく居心地のよさそうに写っていたではないか。ブルーノは、ただ、大切な友達を助けたかった。それだけなのだ。無知ということは、なんとおそろしいことか。


こんな純粋な心を持った子供が、こんな悲劇にあってはならないのだ。


人の命を粗末にする戦争、差別。そのおそろしさをこの父親の将校は思い知っただろうか。その後、父親はどうしたのであろう。


この映画で、救われたことといえば、祖母や母親が正常な心を持っていたことだ。留守にブルーノが怪我をし、手当てをしてくれたパヴェルに対し、母親は戸惑ってはいたものの「ありがとう」という言葉をかけた時、ほっとした。


お気に入り度★★★★★