今回は、知っておかないと意外とビックリする、採卵後の月経の話です。

 

「5日前に採卵したんですけど、今日からすごい出血があって...。」

というようなお問い合わせを頂くことがありますが、それは月経です

 

月経のリズムについては、アプリを使用している方も多いと思います。

そうしたアプリは、あくまで通常の月経リズムに沿って予測日を出してきます。

 

しかし、採卵後は通常のリズムとは異なるので、

予想より1週間以上早く月経が来る

なんてことが起こるのです。

 

さらにややこしいことに、通常通りのリズムで月経が来るパターンもあります

 

この違いを生む要因は、

採卵2日前のトリガーに何を使用したか

です。

 

①マイルド法やアンタゴニスト法の場合

多くはGnRHアゴニスト(ルクリン、ブセレキュア)を使用します。

この場合は採卵後1週間前後で月経が来ます。

※ただし例外的に、クロミッドを内服していた場合は2週間前後かかります。

 

 

 

②ロング法・ショート法の場合

全例HCGを使用します。

この場合は採卵後2週間前後、すなわち通常のリズムで月経が来ます。

※仮にマイルド法やアンタゴニスト法でHCGを使用した場合、やはり2週間前後になります。

 

 

 

 

 

このような違いが生まれるのは、一言でいえば

GnRHアゴニストに比べてHCGは黄体機能の後押し作用が強い

からです。

 

詳しくは別記事に記載してありますので、↓こちらを参照してください。

 

くにDrの論文日記 ~OHSS編~

 

文責:


[医師部門] 江夏 国宏
2004年 慶應義塾大学法学部卒業
2012年 熊本大学医学部卒業
日本産科婦人科学会専門医

 

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